もともと大工仕事や建造物が好きなこともあり、理不尽な状況から職人の目で自ら活路を見出していく魔導建築士の物語の世界にとても好意的に入っていけました。
「俺の魔法は建築だ」
まさにこの言葉に象徴されるとおり、熟練した専門知識が世界を切り開く武器となっていく。
建築魔法で苦境から楽園を築いていく姿はとても前向きですがすがしく、派手なものは疑わしく、うがつたゆまずコツコツと築き上げていく美学は、自身の物語の創作に通ずるものを感じ、とても大きな学びを得た心地がしました。
築かれた楽園と迫る異変の緊張感、地下遺構の謎と解き明かされていく真実、戦うことの真のあり方……
まだ物語は途中ですが、あらゆる豊かな仕掛けが用意されているので、先の展開がとても楽しみになります。
個人的には魔法の世界に「現場監督」という言葉が出てきたことが妙に心地よく、いっそう建築という分野がカッコイイものだと再認識しました。
遺跡巡りが好きな人、魔法の世界が好きな人など、幅広い読み手を受け入れてくれる器の広い物語です。