深川を生きる辰巳芸者・胡蝶。風、雨、川、鐘、花火――江戸の四季を眺めながら、彼女は今日も粋に歩いてゆく。その胸に秘めた、過ぎ去りし日の記憶を、誰にも語ることなく。江戸の風情と、ひとりの女の余韻を描く連作短編。