九年前の、誰かと交わした約束を、普通人は覚えるだろうか?
ましてそれが子供の頃だったりするならば、
約束の類にもよるが、どこどこに行こうねとか、また会おうねとか、
そのような約束が一般的だと思うので、口約束になってしまうのが大体の結末だ。
……そうじゃない場合があるとすれば、その約束が将来を賭けたものである。
物語は、死してなを、思いを寄せる女性と、
そんな約束をすっかり忘れてしまっていた男の、寂しくも哀しく、
そして美しい物語である。
王道のホラーだということができるのではないでしょうか。
日本でも、妖怪が現れる原因というのは遺恨と情愛と相場が決まっておりまして、
日本の三代怪談も、根幹にあるのは「愛しい」という気持ちです故。
読むのが遅くなってしまって本当に申し訳ない。
ご一読を。
この1日2日、やけにこの作品のレビューが🔔に入るな。。と思って読みに行ったら、確かに良作でした。
お笑いとお色気大好きなフヅキ女史が、それらおふざけを封印してホラーに特化したら、こんな怖いものが書けるのかって、感銘を受けました。
12歳の時に結婚を約束してしまったが故に、事故死した陽奈にずっと付きまとわれることになる主人公の直樹。またちょっとずつ陽奈が距離を詰めてくる様子が怖いんですよ。部屋中に陽奈の顔って。。軽々しくメンヘラ系女子と約束交わすもんじゃないな、って思いました。
ネタバレがアレなので、このくらいにしますが、従来のフヅキさんの作品群と全く雰囲気の異なる渾身の一作。カクヨム10コンテストでも善戦するんじゃないでしょうか。
これはお勧めです。だけど寝る前はよした方がいいですよw
なんという理不尽か……。
主人公である直樹は同窓会に参加してタイムカプセルを掘り出すイベントなどに参加するが、かつて親しくしていた陽奈が亡くなっていたことを思い出すことになる。
好きだったと思っていたけれど、彼女が死んでしまい、「淡い思い出」は日々の中で薄れていった。
でも、同窓会の会場でも何やら不穏な気配があって……。
直樹は別段「禁忌」を冒すようなことをしたわけではない。彼がしたことと言えば、幼い頃に「ある約束」をしたくらいのもので。
でも、そんな小さな何かでも縋らねばならないくらい、「誰か」はずっとずっと「孤独」な状態に身を置いていたのかもしれない。
一切の希望のない閉塞感の中では、自分に手を差し伸べてくれる誰かとか、自分と繋がりのありそうな誰かとか、そういうものを見つけたら必死に縋りついて離したくなくなるものなのかもしれない。
幽霊みたいな存在に下手に同情心を見せたらいけない。そんな話があったのもふと思い出しました。
強烈な孤独感は人の心を歪めてしまう。そんな「歪み」ならではの怖さを感じさせられる作品でした。