3 カルワリオ・レリーフ

 

 グリフォンの背中に乗る、牙。

 驚くべき速さで翔け抜ていく。

「若木ー‼︎」


 ***


「親父……」

 写真でしか見たことのない父親。

(あれ、でも……)

 最近、一瞬どこかで……

「牙、美紅。このメッセージを残すよーん。

 お父さんは、12年前、最強猛烈ハンターの銀次を<封印のスクロール>でこの、<封印の魔法壁>カルワリオ・レリーフに封印せんとした。

 だが、スクロールだけではダメだった。

 俺は俺の命とスクロールで、銀次を封印し押さえ込んだ。

 だが、いつか、銀次は復活するであろう。

 最強の銀次が本気を出せば、吸血鬼はおそらく、根絶やしになる」

「っそんな……!」

「牙、吸血鬼の未来と、美紅と、母さんを頼む」

「……」

「ついでだから言うよーん?」

「えッ⁉︎」

「ウェアに頼んだスクロールは、牙に託したんだけど、美紅ならまだいいけど、

 絶対に‼︎

 他の人読ませちゃ、だめだよーん。

 さいなら⭐︎」

「えぇー⁈ っちょ、ま、おや……」

「ps.

 なんでかっていうと、あのスクロール呪れてて。俺の直系以外が開くと、死ぬまで、しもべ━━奴隷のアルティメット・グールになっちゃうからだよーん!」

「死ぬまで⁈ 親父、若木が元に戻る方法は?」

 しかし、そこでメッセージは途絶えた。


「……聖魔様?」

 唇を噛み締めて、立ちつくす、牙。

「……聖魔ってのは、なに?」

「あなた様こそ、封印のスクロールを使いこなす、聖魔様です」

 グリフォンが答えた。

「でも、それは、若木が……」

「? もちろんスクロールを使えば、選ばれた聖魔様の力が、解放されます。

 わたくしは、この吸血鬼の千人塚と、カルワリオ・レリーフのある、地下空間・カルワリオを12年間守護してまいりました」

「……どうしてこんなことに……」

「聖魔様???」

「なんでもない。君の知っていることを、教えて」

「はい!」


 グリフォンは語る。

 

 ここ、地下空間カルワリオは、12年前の銀次封印壁と、吸血鬼たちの千人塚で構成される。

 聖地サンクトゥスで蓋した、<呪いの地>。

 無数の強靭吸血鬼が封印されている<塚>。

 昔のハンターたちは、倒した吸血鬼の怨念を恐れるあまり、聖地の地下に、<封印の塚>として、閉じ込めていた。

「こんなにたくさん、吸血鬼が狩られていた……?」

 12年前の最終決戦。

 最強のハンター銀次が、<シークレット・ブラッド>ポップを仕留めようと、サンクトゥスに誘いこんだ。

 ところが、ポップが逆に圧倒的な力で突進し、己もろとも、巨大な壁━━カルワリオ・レリーフに封印した。

「そういうことか……」

 父親は、12年前に蒸発したと聞かされていた……。


「聖魔様、これを……」

 グリフォンが、古びた片手だけの緑色の手袋を、牙の前の空間に出現させる。

「? てぶくろ??」

「さぁ、行きましょう!」

 背中に、牙を乗せる。  


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