「トリプルアクセル」という高い壁を巡る残酷な現実と、そこから紡がれる「ペアへの転向」という新たな光の対比が実に見事なプロローグ&第1話です。
一人で跳ぶ限界を感じている少年が、誰かを跳ばせる存在へと変革していくドラマの熱量を感じさせます。
特に面白いと感じたのは凛音の持つ圧倒的な確信と「狂気」です。
プロローグで描かれる凛音のトリプルアクセルの完成度の高さ、そしてシングル指定選手を躊躇なく辞退する冷徹なまでの目的意識が強烈です。
理由はないけれど「冬馬なら高く跳ばせてくれる」と確信している彼女の「ジャンプ狂」としての純粋さと狂気が、物語の強い牽引力になっています。
男子シングルでトリプルアクセルの壁にぶつかる冬馬。努力しても届かない現実と、隣で成功していくライバルへの悔しさが、静かなリンクの空気と一緒にじわっと伝わってきます。
そこへ突然持ち込まれる「ペア転向」の話。しかも相手は、日本女子シングルのホープでありながら「高くとばしてもらえるから」と笑うジャンプ狂・凛音。この常識外れなヒロインの勢いが最高です。
スポ根の苦さ、青春の焦り、そしてペアスケートという少し珍しい題材の新鮮さがきれいに噛み合っています。跳べない主人公が、誰かを跳ばせることで自分の道を見つけていく予感があって、続きがとても気になります。