第3話ガールフレンドへの気遣い講座(2)
放課後、制服のまま俺たちは4人で遊ぶといった、教師に見つかったら一発アウトな状態で遊ぶ約束をした。
俺と蓮は先に約束のファミレスに来ていた。蓮が言うには女子より先に来て待っておくことが女子への気遣いらしい。
まぁ、クラスの女子人気No.1の蓮が言うのなら間違いないだろうが...さすがに早すぎじゃね?約束までまだ30分以上あるぞ?
「なぁ、女子と遊ぶ時っていつもこうなのか?流石に早すぎやしないか?」
俺は蓮に疑問を全てぶつける。蓮はやれやれと呆れたように頬杖をついて俺を見る。
「お前って本当に乙女心ってのを分かっちゃいないな」
分かりたくもないな、そんなの。女子にいちいち気遣いなんかしてたら心臓がいくらあっても足りない。
「先に腹ごしらえをしておくとお腹が減らずに無駄な時間をなくせる」
それっぽいことを言いつつ、蓮は注文用のパットをスワイプしながら適当なサイドメニューを注文していた。
「ただ食いたいだけだろ」
「そんなことないぞ?」
とか言いつつ蓮は既に割り箸を手にもって食べる気満々だ。
俺は伝票をチラッと見てみると、もう3000円はこえていた。
蓮はすぐにそのメニューを食べきった。
「まだデザートいけるな」
時計を見ながら蓮が言った。
「やめろよ...」
俺の言葉なんか聞かずに注文用のパットを手に取る。
「はい!デザート追加~」
「やめろって言ったよな!?」
「パフェな」
「聞け」」
結果的に蓮は4000円をこえる会計になった。金持ちの金銭感覚はバグってんな。
「おい、お前食い過ぎだろ」
俺は横目で蓮を見る。
「いや満足」
「当たり前だろ」
こいつのせいで約束の時間まで後少しになっちまった。
「じゃ、そろそろ行くか」
蓮が席を立つ。
「集合場所」
「……」
蓮に続いて俺も立ち上がる。
駅前(集合場所)。
駅前には既に白瀬と鈴野がいた。
「お待たせ、夢」
白瀬もなにかを察したのか目をそらしている。
「えっと...紹介してもいいか?」
俺が2人の横から口を挟む。
「あー、ごめんごめん。えっと...白瀬ちゃんだよね?」
違うクラスなのに白瀬の事を知っているとは...流石はコミュ力の化身といったところか。
「白瀬...えっと蓮と鈴野だ。鈴野はいい奴?だけど蓮には気を付けろ」
「てかっ、2人とも遅すぎ!!何してたの?」
鋭い目付きで蓮を睨む。
「ファミレス~」
「え、ずるくない!?」
「こいつ4000円分食ったんだぞ」
俺が付け足す。
「は!?」
鈴野がツッコむ。
「今から遊ぶのに!?」
「もう満足」
「最低!!」
「……4000円」
白瀬がぽつりと言う。
「……すごいです」
「でしょ?」
蓮ドヤる。
「褒めてねぇよ」
駅前から少し歩いた先にあるショッピングモール。平日でも日とは多く、混雑している。
「人多すぎだろ...」
俺はあまりの人の多さにため息をつく。
蓮と鈴野は子どものようにはしゃいでいるが、俺と白瀬は人が多すぎて遊びどころではない。何なんだこの温度差は。
いや、白瀬は人が多いのが嫌いなのではなく、ただ騒がしいのが嫌いなのか...。
イヤホンでも持ってくればよかったな。
すると横から白瀬がイヤホンを差し出してきた。
「...ど、どうぞ..」
俺はそのイヤホンを受けとり、耳に付ける。
白瀬が当たり前のように手を握ってきた。
「おい」
「イ、イヤホンが取れちゃうので」
白瀬の距離感は本当にバグってる。
「まぁ...いいけど」
「はいはーい、まずは買い物だね」
鈴野が割って入る。
「白瀬ちゃん、服買いに行こ」
白瀬は戸惑いながらも頷く。
「鈴野の買い物は長くなる」
「なー」
俺たちは服屋の椅子に座ってまっていた。
「朔くーん、ちょっと来てー」
鈴野に呼ばれて試着室の前にやって来た。
試着室のカーテンを開けて出てきたのはシンプルな服だが、綺麗にまとまっている。
「朔~、こういう時は可愛いって言うのが気遣いなんだぜ」
蓮が横から野次を入れてくる。
これも、必要なことなのか。
「似、似合ってるぞ...」
すると白瀬が顔を赤くして試着室に逃げていく。
(キモかったか?)
蓮と鈴野は横でクスクスと笑っていた。
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