家賃滞納を打破するため、都市伝説「異世界行きエレベーター」の検証動画を撮ろうとする探偵レイとロシア人VTuberアリサ。
そんな現代的で俗っぽい動機から始まる物語は、異世界で「子供の失踪事件」を受注した瞬間から、息を呑むダークミステリーへと変貌を遂げます。
魔物よりも残酷な現実に対峙し、人間に捨てられた真実を拾い上げるのが「人ならざる力」を秘めた二人であるという皮肉な構図が見事に効いています。
物語の随所に散りばめられた布石が回収され、なぜこの記録が「お蔵入り」にならざるを得なかったのかというタイトルへと帰着する幕引きは、ビターでありながら心地よい余韻を残します。
本格ミステリーの緻密な論理展開と、ダークファンタジーの痛快なアクション、そして互いを唯一無二の相棒と認めるバディの絆が、見事に融合した完成度の高い中編作品です☆
「怪異探偵」のレイと助手のアリサは、都市伝説を調査した動画を投稿しているがなかなか話題にならない。家賃もロクに支払えない中、エレベーターで異世界に行けるという都市伝説を試してみることに。
半信半疑だったものの、開いた扉の向こうにあったのは……?
異世界に行けたら、それを配信してバズらせたい。そんなことを思ったことがある人もいるのではないだろうか。
だが、ワクワクする冒険はだんだんと怪しくなってくる。
異世界、などと言うと夢があるが、そこにもまた人間がいる。
中には、利己的な者もいる。格差もある。
世界は、決して綺麗なものばかりではない。
果たして、二人が目にする世界の真実とは。世界の、そして二人の運命は。
どうか、あなたの目で確かめてほしい。そうでなくては、何も見えてこないのだから。
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