「変な校則を教えてください」というネット投稿から始まり、ブラック校則を語るスレ、学級日誌、ショート動画、インタビュー、音声ファイルと、形式の異なる断片資料だけで構成されているのがこの作品最大の仕掛けだ。出席番号21番の席を必ず空けておくという奇妙な校則の理由を、地の文の説明ではなく読者自身が断片を繋ぎ合わせて読み解いていく構造になっている。
形式の異なる「証拠資料」を積み重ねるモキュメンタリー的な手法が、たった4千字程度の短さの中でじわじわとした不穏さを生み出していて巧みだ。あるレビュアーが指摘するように、謎が解き明かされるにつれて怖さが増していくという読み心地は、断片同士の矛盾や符合が少しずつ繋がっていく構成だからこそ生まれるものだろう。
完結済み・全6話。考察を読者に委ねる「あなたの考察をお待ちしています」という結びも含めて、能動的に読み解く楽しさを味わえるホラー短編だ。