クトゥルー神話作品のいわゆる原作を読みたいと思っても、誰を読めばいいのか、邦語訳はあるのか、などの障壁に当たることが多く、特にクラーク=アシュトン=スミスはそもそも見つからないということが多くあり、結局ラヴクラフトのものしか読めていませんでした。この文章では、ラヴクラフト周辺の作家の特徴や作品が入っている本などの紹介が手厚く勉強になりました。
「クトゥルフ神話といえば、ラヴクラフト」いえ、近年においてはそうですらないのかも知れません。ケイオシャム社のTRPGと、そのプレイ動画によって人口に膾炙した現在では「クトゥルフ神話=小説」でさえなく、インターネット・ミームに近い存在にさえなりつつあるのかも知れません。だからこそ、多くの人々によって綴られ、一般化されたイメージとは異なる多種多様な角度より描かれてきたその姿を、簡潔に示してくれるこのエッセイは、その芳醇な世界の入口を、あなたに垣間見せてくれることでしょう。