ミステリーだけが超絶好きな女子高生、氷室怜螺が偶然に異世界転移した先。
そこは魔法の普及により、発生する事件の全てが魔法で解決される世界でした。
そのために、ミステリーに類する創作物のない世界でもありました。
悲嘆に暮れながらも、レイラと名乗り強かに異世界で暮らす彼女。
そんなある日、レイラは偶然にも毒殺死体の発見者となります。
そして事件の被疑者ともなるのです。
このハプニングに驚喜するレイラ。
そうです。彼女はこの危機を愉しんでいるのです。
この物語の白眉はレイラのメンタルなのです。
三国志の豪傑たちにも引けを取らない胆力で
どんな危機にも不敵に笑うのです。
かっこいいのです。
物語は意外に次ぐ意外な展開を見せるのですが、そこは本編をご覧ください。
コメディ調で進む物語。
時にはスラップスティックなドタバタ劇が展開し、有名な英国探偵小説のオマージュも散りばめられています。
とても読みやすく楽しい物語です。
ほとんどの方は、本作のプロローグの最後のセリフに惹かれ、同じ気持ちを抱くのではないかと思います。
そのセリフは、こうです。
マジか、面白くなってきた!
魔法が存在する異世界に転移してしまった、ミステリオタクの女子高生・レイラ(本名:氷室怜螺)。
なんということでしょう。密室も不可能犯罪もすべて魔法のせいで片付いてしまうこの世界には、彼女が愛してやまないミステリ小説が存在しません。
バイタリティあふれるレイラでしたので、異世界生活の方はなんとかなったのですが、ミステリへの飢えのために絶望的な気持ちでいました。
そんなある日、彼女は森の湖畔で毒殺死体の第一発見者となってしまいます。そして、あろうことか容疑者と決めつけられてしまうのです。
でも、そんなことで動じるレイラではありません。
なぜ犯人は、便利な魔法ではなくわざわざ毒殺なんていうリスキーな方法を選んだのか?
魔法で何でも解決できる世界だからこそ浮かび上がる、強烈な違和感。
「面白くなってきた」と歓喜して暴走を始めるレイラのミステリ愛と行動力に、思わず笑って引きこまれてしまいました。
本当に魅力的な主人公が登場する異世界ミステリです。
ご一読を強くおすすめします!