都市伝説を扱った作品といえば、「ダンダダン」が思い浮かびますが、このお話は「都市伝説」を、切なく、温かい物語に仕上げています。
そして空気感と感情の積み重ねがとても丁寧で、派手な展開があるわけではないのに、読み進めるほど「続きを読まずにはいられない」引力があります。
特に印象的なのは、登場人物の内面描写の巧みさです。
感情を大げさな言葉で説明するのではなく、行動や会話、沈黙の“間”で語らせる描写が多く、読者が自然と心情を汲み取れる構成になっています。そのため、読み手が物語に能動的に入り込める感覚があり、読後の余韻も強く残ります。
文章は読みやすく、テンポも安定しているため、また記憶にある「都市伝説」をテーマにしているため、誰にでも入りやすい一方で、感情の深さはしっかりとあり読み応えも十分です。