山入端に住み、小さな畑を耕す一人の女性。
彼女の畑にはいつも 終の棲家 を求めて
野生の動物達が訪れる。
けっして追い払わずに優しく迎える彼女は
一つひとつの大切な命を やわらかな土 へ
還して行く。
丁寧に生きること、そして自然への敬虔な
感謝と小さなものへの優しさ。
彼女の許には多くの無垢なもの達が集う。
だがしかし。
彼女自身を突然、暗雲が覆う。
情けは人の為ならず。
そんな諺すらも失われつつある現代に
この掌編は、忘れていたものを思い出させて
くれるだろう。
自然の中にある 大気の流れ、水の循環
そして生態系の死と再生…。
人である以上、我々は 流れ廻る のだ。
努々、忘れてはならない。