ニッチジャンルを書いている皆さんにぜひ読んで欲しい作品です😂
誰が求めてるかも分からない、自分の好きをひたすら煮詰めて自分の特技をこれでもかと磨き続ける。
ニーズがないからと作り手が筆を折ってしまえば、明日救われるはずだった誰かの心が行き場を失ってしまう。
あなたに表現できるものがあるならそれは形にされるべきです✨️そしてそれは誰にも真似出来ないものです。
自分だけの小さな趣味だと世界を小さく見積もる必要は全くなく、もし世界に一人だけだとしたら...だからこそ書くのです。
誰かが、いつかあなたの作品に出会って救われるために。
とても元気が出る励ましの作品ですw
本作は、自作カードゲームというあまりにも危うく、しかし眩しい遊びを通して描かれる、極上の青春ラブコメディである。
まず特筆すべきは、カードゲーム描写の異様なまでの熱量と解像度だ。作中に登場する「エターナルデモンズ」や「ドラゴンズクロニクル」は、明らかに『マジック・ザ・ギャザリング』を源流に持つTCG文化圏の文法で構築されており、マナ、壁、キーカード、軽量バニラ、フュージョン、パワーラインといった概念が飛び交う対戦シーンは、TCG経験者ほどニヤリとしてしまうはずである。
しかも本作は、単にカードゲームネタを散りばめた作品ではない。ゲームデザイン思想の違いが、そのまま人物の価値観や愛情表現に直結しているのが実に巧みだ。派手な数値に浪漫を見出す主人公・忍と、遊びとしての完成度を追求する“おにい”。そして、そのどちらのカードにも心を躍らせながら、時に環境を破壊して楽しむ叶。この三者の関係性が、デュエルという形式そのものによって炙り出されていく。
さらに見事なのが、各話サブタイトルである。カードゲーム用語や効果テキストを模したタイトル群が、毎回その回の感情や展開と絶妙にリンクしており、読み終えた瞬間に「ああ、だからこのタイトルなのか」と膝を打たされる。この遊び心は、TCG文化に親しんだ読者ほど深く刺さるだろう。
一方で、本作の根幹にあるのは紛れもなくラブストーリーである。しかもそれは、単なる甘酸っぱい恋愛ではない。“好きな遊び”を恥ずかしいものとして扱われた経験、自分だけの逃げ場だったものを他人に笑われる恐怖、そして「これじゃないとダメだった」という切実さ――そうした青春の痛みを抱えた者同士が、カードゲームを介して互いを肯定し合っていく物語なのだ。
だからこそ、終盤の展開はあまりにも美しい。燃えるようなデュエルの高揚感と、胸を締め付けるような恋愛描写が、まるで同じ熱源から立ち上がっている。燃えと萌え、その高度な融合が最後まで崩れないのである。
遊びは時に、誰かの人生を救う。
本作はその事実を、自作カードという“黒歴史”めいた題材で、ここまで真っ直ぐ肯定してみせた。TCG経験者にはもちろん、かつて「自分だけの遊び」を持っていたすべての人に薦めたい一作である。
レビュー時点ではまだ18話と、物語の途中ですが、すでにとても甘酸っぱいアオハルの香りが、文面から漂っています。
タイトルからも察せられるように、この作者さんはキャラの心理描写も含めた、情景描写がとても繊細で上品に感じられるので、たまには有名週刊紙に連載されているような売れ筋ラブコメではなく、ノスタルジーなジブリテイストの作品に浸りたいという読者さんに、オススメです。
→作品が完結しましたので、追加でレビュー。
読み終えて、作者さんの作品に向ける「愛」が伝わる物語でした。
流行のテンプレに沿った、手堅く広い読者層に受ける作品ではないかもしれませんが、そのぶん作者さんが物語に込める「熱」がストレートで、刺さる人には深く刺さるタイプの物語です。
あとキャラの感情を込めた情景描写が、全体を通してとても丁寧なのも、本作の推しポイントですね!