ギリシア神話「ハデスとペルセポネ」を題材にした近世イギリスの恋愛譚です。
コレー・スプリングは、ハイデス・ウィンター卿の屋敷「冥府の館」 でメイドをしていた。甲斐甲斐しく働き、主人にも働きぶりを認められる。しかし、ウィンター卿から求愛されたレコーは激しく動揺するのだが……。
悲劇として語られがちな「ハデスとペルセポネ」を温かな解釈で描きます。コレーの葛藤に胸が痛みました。身分違いの恋は禁忌なのか、純愛なのか。それは己の心に問いかけるしかないのです。
細やかな近世イギリスの描写の数々は、読者をその次代へ連れて行ってくれます。コレーが作業場で準備をするシーンがとても印象に残っています。また、題材となっているケーキのシーンはとても細やかなディティールで描かれます。
心ときめくようなドラマティックな恋愛譚でした。