星皇学院へ入学した染井春一は、四月一日が
反復する事象の解明に挑む。
祖父と向かい合って喉に流し込む朝食を二度経験した彼は、曲がり角に現れた照沢たちへの挨拶を変え、事象の分岐を確かめた。
校門前で俯く吉野仁香の視線の差異も探り当てた。安直な異能による解決を排し、同一の二十四時間という強固な檻の中で、些細な変化を一つずつ拾い集める手探りの過程が続く。
派手な立ち回りよりも、周囲の空気が少しずつ冷えていく肌寒さがあり、閉鎖空間の構築が極めて盤石だ。万能な力による打破ではなく、地道な推論による痕跡の積み上げ。
骨太な謎解きを求める読者なら、提示された
事象の奥深さに必ず息を呑む。