第20話 この女の子は本当に私を困らせる!!!
(朝食にて……)
リリー:「ルゥおじさん!」
サヤン:「どうした?」
リリー:「ねえ、聞いて」
サヤン:「ああ、聞いてるよ。でも今、大事な仕事中なんだ。後にしてくれないか?」
リリー:「……まず、『ごめんなさい』って言って」
サヤン:「えっ? なんで俺が……。何に対してだよ?」
リリー:「いいから! 言ってくれたら教える!」
サヤン:「(やれやれ……)わかったよ、ごめん。……これでいいか?」
リリー:「あと二回!」
サヤン:「ごめん、ごめん! ……満足か?」
リリー:「えへへ、ねえ見て。ルゥおじさん、私の言うことなんでも聞いてくれるんだよぉ」
サヤン:(……こいつ、俺をなんだと思ってるんだ。まったく、お転婆なんだから)
(その日の夜)
サヤン:「リリー、そんなに口を尖らせてどうしたんだ? ずっとベッドで丸まって」
リリー:「持ってる小説、全部読んじゃったの……。どれも全然面白くない。もう飽きちゃった……」
サヤン:「……贅沢だな。ほら、もう寝なさい」
(数日後、外は激しい雨が降っていた)
サヤン:「うわっ、ひどい土砂降りだな……。ん? あれはリリーか!? あんな雨の中で何してるんだ!」
(家の外へ駆け出すサヤン)
サヤン:「リリー! こんな雨の中で何してるんだ? 早く中に入れ!」
リリー:「やだ! 雨を浴びてたの。もうびしょ濡れになっちゃったから、もっと浴びるの!」
サヤン:「リリー……お前、何か隠してるだろ?」
リリー:「(しっ! 大きな声出さないで……)……にゃあ」
サヤン:「猫……? お前、猫を隠してるのか? ほら、こっちに貸しなさい。風邪をひくぞ」
リリー:「(視線を落として)……お願い。この子を私のそばに置かせて」
サヤン:「ダメだ。怪我をするかもしれないし、危ないだろ」
リリー:「……もしこの子が家に入れないなら、私もここから動かない!」
サヤン:「おい、無茶を言うな! 雨に打たれて熱が出たらどうするんだ」
リリー:「(目に涙を浮かべて)……もし、この子の立場が私だったら? おじさんは、私でも外に放り出すの? この子、すごくボロボロで……死んじゃいそうなの。お願い、病院に連れてって……!」
サヤン:「(……はぁ。本当に、君には勝てないな)……わかった。わかったから、病院に行こう」
(車の中にて)
サヤン:「ほら、俺のコートを羽織ってろ。風邪をひくぞ」
リリー:「……ありがと。大丈夫だよ、マックス。今病院に連れてってあげるからね。死なせないよ」
サヤン:「……もう名前までつけたのかよ」
リリー:「これから、ずっと一緒だもん」
サヤン:(自分の体調は二の次なのに、弱っている者を放っておけない……。中身は子供になっても、君の優しさは変わらないんだな)
(帰宅後……)
サヤン:「いいか、これからはマックスも一緒だ。反対はしない。でも、ちゃんと面倒を見るんだぞ」
リリー:「わぁ! ありがとう……! ルゥおじさんって、本当に優しいよね。ねえ、マックス?」
サヤン:「……おい、急にそんなこと言うなよ(照)」
サヤン:「ほら、家に着いたぞ。すぐにお風呂に入ってこい。雨に当たっちゃダメだろ。マックスの毛は俺がドライヤーで乾かしてやるから」
(しばらくして、二人は暖炉の火の前で暖まる)
サヤン:「リリー、お前は本当に頑固だな。自分の体がまだ弱いって分かってるだろ? 二度とあんな無茶はするなよ」
リリー:「マックス……可愛い。ふわふわだねぇ……」
サヤン:「……おい、聞いてるのか?」
リリー:「ねえ、暖炉の前でこうしてるの、すっごく楽しい。なんだか、とっても安心する……」
サヤン:「……ああ、そうだな。リリー、気分が良くなったらもう寝るんだぞ。夜も遅い」
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