静かな文章で始まりながら、読み進めるほど大きな物語のうねりが見えてくる。主人公の春馬は、スイッチ2の予約券になるはずの紙を大切に持っている。日付欄の空白は、ただの買い物の未定ではなく、父との約束、学校の息苦しさ、これから何かが起こる予感まで抱え込んでいる。とくに夜、春馬がその紙を枕の下に入れた直後、遠くから「ドン。……ドン。……ドン。」という低い拍が届く場面は印象深い。少年の日常の小さな不安が、海底の巨大な存在と響き合い始める瞬間であり、この作品の題名にある「レゾナンス」の意味が読者の胸に届く。さらに政府の会議では、春馬らしき存在が「青い点」として管理され、遊戯端末を通じた接触計画が進められる。個人の夢と国家の思惑、遊びと監視、海神の目覚めが重なっていく構成が見事である。全36話完結済みなので、最後まで一気に読み進めたい叙事詩である。