この物語は、大正時代を舞台に、魔物の人魚と魔物退治が任務の軍人が紡ぐ、切ない恋愛物語です。
人魚である汐美が軍人・橘少佐と出会い、恋をすることで人の姿となり、少しずつ距離を縮めていく。
その過程は決して派手ではありません。けれど一つひとつのやり取りがとても丁寧で、読んでいるうちに自然と二人を見守る気持ちになってしまいます。
特に印象的だったのは、二人の関係に流れる静かな時間です。
大正という時代の空気感、言葉の選び方――それらが重なって、物語全体にどこか懐かしく優しい雰囲気を作り出しています。
そしてこの物語の中心にあるのが、「恋を失えば泡になる」という人魚の宿命。
愛すれば愛するほど、終わりが近づくかもしれない。
それでも恋をしてしまう心の動きが、とても切なく、そして美しく描かれています。
読み進めるほどに「どうか二人が幸せになりますように」と願わずにはいられません。
同時に、この恋が儚いものかもしれないという予感が、物語の美しさをさらに引き立てています。
まだ連載中なので、今後の展開がとても気になっています。
胸がキュッとなる恋愛譚を読みたい方は、ぜひ一度手に取ってみてください。
きっと、二人の行く末を見届けたくなるはずです。