「俺にとってゲームセンターは異世界そのもの」——
この言葉が象徴するように、ノリトは根っから格ゲーを愛する男。
そんなノリトが転生した少女も中身は「格ゲーおじさん」のままなので、見た目と中身のギャップには何度もクスッとさせられました。
また、異世界でありながら「格闘ゲーム」が世界の法則になっているという発想がとても新鮮でした。
格ゲーのルールが世界を支配しているにもかかわらず、現地の住人たちはその事実に気づいていない、という状況そのものに独特の面白みがあります。
ノリトの頭の中は常に「格ゲー」の感覚で占められており、まさにゲーセン的な視点で世界と向き合っていく。
そんな異色の物語が軽妙な語り口で描かれるため、どんどん引き込まれていきました。
特に印象的だったのが、トリノ(ノリト)とスティルが対戦する場面です。
自分が勝つことを目的とするのではなく、ソアレに勝たせることを最優先にする中で、ソアレが覚醒し始める描写には胸が熱くなる爽快感がありました。
状況を冷静に分析し、攻略法を授けていくコーチ的な視点も面白く、「なるほど、このような見せ方があるのだな」と深く感心させられます。
こうした「周囲を見守る器の広さ」からも、この物語そのものの懐の深さを感じずにはいられません。
まだ拝読の途中ですが、この独特な世界観がこれからどんな展開を見せてくれるのか、とても楽しみです。
ぜひ異色の格ゲーワールドをご堪能ください。