雪の降る場所へ③

深夜。


大和はクローゼットを開け、


スーツケースを引き出した。




美咲の服が並ぶクローゼットの前で、


しばらく動けなかった。




(ごめんな……


ここにいると、前に進めない)




大和は美咲の写真を手に取った。


雪の中で笑っている写真。


その笑顔は、今も温かかった。




「……帰るよ。


少しだけ、休ませてくれ」




写真立てを胸に抱きしめ、


大和は静かに涙を流した。




もっと2人で過ごしたかった。


もっと2人で笑い合いたかった。


もっと…もっと……




でも、もうそれは叶わない。

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