恋愛小説や時代小説を書かれている、霧生かずほさんの代表作です。とても印象深く、魅力的なミステリーでした。
物語は、バブル末期の東京が舞台です。主人公の谷口史朗は、とある華やかなエンタメ企業(絶対ソ〇ーミュージック)に就職しますが、お金勘定だけが得意の地味メンだったので、経理課に配属されます。が、どういうわけか、この人、モテモテなんです。入社のパーティでは、謎めいた超美人、東条明(めい)が近づいてきて、それからも社内の美女がうようよと寄ってきます。
しかし、史朗が好きになって、夢の中で見た女性は、どういうわけか次々に死んでいくのです。これは一体何なのか? 誰かが嫉妬して殺しているのか? 俺はもう、女性を愛してはいけないのではないか?
そうしているうちに、謎の美女、明(めい)が鍵を握っていることが、少しずつ明らかになっていくのです。
ネタバレがアレですので、このくらいにしておきますが、本作は、練り上げられたストーリーもさることながら、特筆すべきはこの流麗な文章です。どことなく、三島由紀夫を彷彿とさせる、絢爛豪華で濃厚な心理描写は、読み進めるのにパワーを要し、好みの分かれるところでしょう。しかし、読んでいるうちに何かクセになるような一種麻薬的な魅力がありますね。
霧生さんのお作を読む限り、WEB小説というより、文芸系の、それもプロを目指していた方のようにお見受けします。そのくらい文章力が高いです。自分の今後の創作の参考にもなりそうな、高レベルの作品でした。
読み手を選ぶ作品だと思いますが、わたくしはお勧めします。