7歳で家族を壊された奏架の「力への渇望」と、人生のすべてを賭けたリスク高すぎる「記憶移植」の緊張感が、息つく暇もないテンポで描かれていて素晴らしいです。
ただの人生逆転劇ではなく、移植の成功と同時に「虚天」という貼り付いた笑みを浮かべる謎の人格を脳内に宿してしまうという、不穏極まりないサスペンス展開にゾクゾクさせられます。
「適合しなければ人格が歪む」という命がけのギャンブル、そしてそれを冷酷に行う「氷風呂のような電気椅子」の不気味な白一色の描写が、ディストピアSFとして非常にソリッドで魅力的です。街の「一生無料!不老の人生を!」という広告の胡散臭さも世界観の闇を引き立てています。