第2章
英雄を監視せよ
王が言う。
「結論を出す」
全員が静かになる。
「この男」
「はい」
「排除するか?」
騎士団長が即答した。
「反対です」
王が見る。
「理由」
「強すぎる」
沈黙。
「敵に回せば」
一拍。
「王国が滅びます」
魔術師が頷く。
「同意」
王が笑う。
「ではどうする」
情報局長が言う。
「監視です」
「誰が?」
局長は答える。
「最適な人物がいます」
紙が机に置かれる。
名前。
リディア
騎士団長が笑う。
「元S級か」
王が頷く。
「なるほど」
一拍。
「彼女なら」
「?」
「止められる」
本人、まったく気づかず
王都・宿屋。
主人公はベッドに寝転がっていた。
「平和だ」
窓の外では祭り。
英雄。
英雄。
騒いでいる。
主人公は言う。
「なんで俺」
扉が開く。
リディアが入る。
「英雄様」
「やめてください」
彼女は机に書類を置く。
「王国から依頼です」
「もう嫌な予感しかしない」
紙を見る。
主人公が固まる。
「え」
リディアが言う。
「英雄候補任務」
主人公が読む。
「世界調査?」
「はい」
「魔物調査?」
「はい」
「未知ダンジョン?」
「はい」
主人公が言う。
「危なくないですか」
リディアは笑う。
「危ないです」
「ですよね」
「だから」
一拍。
「あなたが行くんです」
主人公は天井を見る。
「俺」
「はい」
「なんで英雄候補になったんだろ」
リディアが言う。
「簡単です」
「?」
「あなた」
一拍。
「死なないからです」
主人公はため息をついた。
「それだけか」
リディアが微笑む。
「それだけです」
でも。
王城では。
別の言葉が使われていた。
英雄ではない。
勇者でもない。
王国が彼を呼ぶ名前。
それは――
「制御不能兵器」
そして。
遠い魔王領。
魔族の城。
水晶に映る映像。
ドラゴン討伐。
魔王が呟く。
「面白い」
一拍。
「この人間」
笑う。
「最優先で殺せ」
こうして。
英雄の物語は。
王国。
魔王軍。
世界。
全部を巻き込み始める。
そして主人公はまだ知らない。
自分の能力が――
この世界のシステムそのものを壊す力だということを。
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