滅多に褒めない眼力確かな某先生のレビューに
惹かれて読みに来てみたら…!
これは凄い!!
短いながらもちゃんと怖さがあって、そして
何よりも読みやすい。端的な文章と意味構成
即ち、この掌編に集約されるのだろう。
怖い と 不思議 この違いがよくわかる。
怖いのは、多分その怪異との距離が近いのだ。
不思議なのは、まだ充分に距離がある。
この百物語。
ショートショートという難しい技術を全く
モノともせずに完結しているとは…只者では
ない。文章を書く勉強にもなる。
内容も充実。
個人的には『鬼不殺し』の譚が好き。
どう頑張っても読めない、この酒の銘の如く
怪異もお化けも妖怪も、そういうもの
なのだろう。
一言でいえば、すばらしい奇談集である。
まずはアイデアについて言及したい。
カクヨムをはじめて十年、いままでいろいろな話を読んできたが、発想力はトップクラスだと思う。
オリジナリティは十分にあるが、『世にも奇妙な物語』や星新一を連想させる話がごろごろしている。読んでいて実に楽しかった。
次に文章だが、これも非常によい。
なにより、ムダがほとんどない。一行目から、ちゃんと作品世界へ読み手を誘(いざな)っている。
文章に対する向き合い方は、星新一に似ている。とにかくアイデアを前面に出し、アイデアそのものを読者に提示する姿勢が見える。
100話で6万字。一話あたり、600字の計算になるが、文章にムダがないから、この数字に収まっている。
目を引くアイデアと簡潔な文章のため、実にさくさくと読める。私はほぼ一気読みした。
ネットで小説を書いている人は、ぜひ、参考にしてほしいムダのなさである。重ねて言うが、一行目で読者を惹きつける工夫がほどこされている。
とにかく、できるだけ多くの人に読んでもらいたいので、カクヨムに十年いて、はじめて他人に誤字を指摘した。
さて、百物語なので、残念ながら、100話で完結している。作者が二巡目を書き始めることを期待しつつ、もし、それが待てない方には、久世空気さんの『怪談レポート』をおすすめする。
というわけで、ぜひぜひ、ご一読あれ。
トイレに行けなくなる怪談というよりは、おもしろい発想の奇談の集まりと言ってよいと思うから、怪談が苦手という人にも読んでもらいたい。
ぜひ、奇妙な味わいを楽しんでください。
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