長い旅路の末に見つけた、地球そっくりの美しい惑星。しかしそこは、機械や科学の論理を破壊する未知のエネルギー「魔法(EE)」に満ちた死の星でした。
本作の最大の魅力は、魔法というファンタジー要素を徹頭徹尾「SF」のアプローチで解明し、利用しようとする恒星間種族の視点で描かれているところです。
彼らは星の環境に適応させるため、魔法を操る生体端末である「人間(新人類)」を創造し、自らを神として崇拝させることで星を支配しようと試みます。ファンタジー世界でお馴染みのキマイラや魔法文明が、科学者の実験によって計画的に造られていく過程は、まさに神の視点のような恐ろしさとワクワク感に満ちています!
しかし、星を完全に征服したと思った矢先、星自身の自浄作用(免疫)として「魔王」が生み出され、事態は急転直下。人類を病原体とみなし、科学技術で抗えば抗うほど強大な抗体を生み出してくる星との、絶望的な消耗戦に一気に引き込まれました。
魔法という概念を科学的に再構築した圧倒的な世界観設定と、冷徹な科学者たちが星の意志に飲み込まれていくダークな展開を楽しみたい方に、全力でおすすめしたい傑作SFファンタジーです!