海岸をそぞろ歩いているとき見かけたのは、人品の卑しからぬ初老の男。それが望遠鏡を覗きつ、遠くに何かを見ている様子。手渡されたものを覗き込んでみたならば、海のかなたには現とも幻とも判別しがたい、不可思議な光景が……。蜃気楼のなかに踏み入ってしまったような、夢幻界とも此界ともつかないものを覗いたような。……ほら、あなたも、どうぞご覧下さい。