2026年3月11日 20:46
第6話 同じ椅子と中折れ帽子への応援コメント
素敵な小説を読ませていただき、ありがとうございます。 読み終えたあと、静かな図書室で一息ついたような、心地よい余韻に浸っています。 「あの時、こうしていれば」という普遍的な後悔を、単なる感傷で終わらせず、「今の自分もまた、誰かにとっての興味の対象かもしれない。 タイトルの「真空」が、第4話で鮮烈に回収されるシーンが実に見事でした。 当時の教室において「浮くこと」が「死」を意味するという、あのヒリヒリした切実な感覚。それを「自分のずるさを飼い慣らして」と表現する大人の主人公の独白。喧騒の中の中島さんを、単なる「孤立」ではなく、「どんな濁流にも飲み込まれない、真空」と定義したことで、彼女の持つ周囲に流されない孤高や、主人公が抱いた憧れが、読者の胸にダイレクトに突き刺さります。 終盤、職場の後輩とのやり取りを通じて、かつて中島さんに言いたかった言葉が自分に返ってくる構成が秀逸です。 かつての「真空」にいた中島さんと、今、職場のデスクで本を読む「真空」にいる主人公。二人が重なった瞬間、主人公が抱えていた「あの時話しかけられなかった後悔」が、後輩との会話によって優しく肯定され、昇華されていく流れにカタルシスを感じました。 この主人公と後輩社員との掛け合いが、物語のトーンを変化させていますね。 後輩の「ペーパーコードって、どれくらいでケツに馴染みます?」という、少し無作法だけれど愛嬌のある問いかけに対し、主人公が「いい感じに“ケツ”に馴染んでるわよ」とあえて乗っかって返すシーンが最高に愉快でした。 「女性がそんなこと言っちゃダメですよ」と突っ込まれるまでのテンポの良さに、読んでいてクスッとしました。このやり取り一つで、二人の間の風通しの良さが一瞬で伝わってきます。 それにしても、後輩がただの今時の若者ではなく、ペットボトル代を削ってまで「ウェグナーのYチェア」を狙い、『星の王子様』に深い愛着を抱いている姿は意外です。 『星の王子さま』という、目に見えない大切なものを描いた物語を共通言語に持っている。この知的な一致が、主人公の「話してみないとわからないものだ」という確信に繋がり、読者としても「人との対話」が持つ可能性にワクワクさせられました。 そして主人公の「労働に勤しみたまえ」という返し。 この一言には、長く働いてきた大人としての矜持と、同じ価値観を持つ若者への温かいエールが詰まっていて、二人の関係性が「単なる先輩後輩」を超えた「美意識を共有する同志」になった瞬間を感じました。 本をきっかけに始まった後輩との交流など、新たな物語が始まる余韻がありました。
作者からの返信
kou様この度は読んでいただけただけでなく、コメントまでお寄せくださりありがとうございます。 「静かな図書室で一息ついたような、」というご感想・冒頭の言葉に、胸がいっぱいになりました。と言いますのも、創作をまともにやったことがなかったわたしが、書いてみようかなと思い立った時。近況ノートの一番初めに、このように綴りました。 「今はもう記憶の中にしかない、あの懐かしい校舎の図書室で、靴を脱いでくつろぎながら心に浮かんだアレコレを綴る場所。そんな感覚で、拙いながらも紡いでいけたらと考えています。」 それを、根底のどこかにおきながら言葉を綴ってきたので、「図書室で一息」という言葉には、そりゃ(勝手に)感激しちゃいます。きっとそれをご存知ないと思うのですが。さすがです、kouさん。中学生のヒリヒリ感。あの時の自分のずるさを眺める目。そして何より「どんな濁流にも飲み込まれない、真空」という、わたしが今作で大切にした一文を拾い上げてくださり、中島さんの孤高の美しさを一緒に眺め、感じてくださったこと。本当に嬉しいです。 あの日の中島さんと今の主人公が「ひとり、自分の席で本を読むという“真空”」に気づいていただきました。眺める側と眺められる側。あの日言いたかった言葉を別の人物から投げかけられる。 時を超えて交錯する気持ちや場面を丁寧に描きたかったので、そこに着目していただけて嬉しいです。「素敵な小説」とのお言葉。…ちゃんと小説になっていましたでしょうか?汗 小説という未踏の地に足の爪先でも入れていたのなら嬉しいです。 ウェグナーや「星の王子さま」など、完全にわたしの趣味全開です笑 「美意識を共有する同志」とのお言葉! たしかにそうですね。まさにわたしは“それ”を描きたかったんだ✨と、kouさんのコメントで改めて気づきました。 ……新しい物語ですか、なるほど。後輩くんが『どこに立ってればいいんすかぁ? 退場ですか? 休憩ですか?』って頭の中で騒いでいるので、彼がまた何か勝手に喋り出したら、その時は書き留めておこうと思います(笑)「労働に勤しむ」あれは自分にも言っていたりします笑年度末ですし、kouさんもお忙しい毎日かと思いますが、お互い“勤しみましょう”💪✨ そしてどうかご自愛くださいませ。この度は素敵なコメントををありがとうございました。
第6話 同じ椅子と中折れ帽子への応援コメント
素敵な小説を読ませていただき、ありがとうございます。
読み終えたあと、静かな図書室で一息ついたような、心地よい余韻に浸っています。
「あの時、こうしていれば」という普遍的な後悔を、単なる感傷で終わらせず、「今の自分もまた、誰かにとっての興味の対象かもしれない。
タイトルの「真空」が、第4話で鮮烈に回収されるシーンが実に見事でした。
当時の教室において「浮くこと」が「死」を意味するという、あのヒリヒリした切実な感覚。それを「自分のずるさを飼い慣らして」と表現する大人の主人公の独白。喧騒の中の中島さんを、単なる「孤立」ではなく、「どんな濁流にも飲み込まれない、真空」と定義したことで、彼女の持つ周囲に流されない孤高や、主人公が抱いた憧れが、読者の胸にダイレクトに突き刺さります。
終盤、職場の後輩とのやり取りを通じて、かつて中島さんに言いたかった言葉が自分に返ってくる構成が秀逸です。
かつての「真空」にいた中島さんと、今、職場のデスクで本を読む「真空」にいる主人公。二人が重なった瞬間、主人公が抱えていた「あの時話しかけられなかった後悔」が、後輩との会話によって優しく肯定され、昇華されていく流れにカタルシスを感じました。
この主人公と後輩社員との掛け合いが、物語のトーンを変化させていますね。
後輩の「ペーパーコードって、どれくらいでケツに馴染みます?」という、少し無作法だけれど愛嬌のある問いかけに対し、主人公が「いい感じに“ケツ”に馴染んでるわよ」とあえて乗っかって返すシーンが最高に愉快でした。
「女性がそんなこと言っちゃダメですよ」と突っ込まれるまでのテンポの良さに、読んでいてクスッとしました。このやり取り一つで、二人の間の風通しの良さが一瞬で伝わってきます。
それにしても、後輩がただの今時の若者ではなく、ペットボトル代を削ってまで「ウェグナーのYチェア」を狙い、『星の王子様』に深い愛着を抱いている姿は意外です。
『星の王子さま』という、目に見えない大切なものを描いた物語を共通言語に持っている。この知的な一致が、主人公の「話してみないとわからないものだ」という確信に繋がり、読者としても「人との対話」が持つ可能性にワクワクさせられました。
そして主人公の「労働に勤しみたまえ」という返し。
この一言には、長く働いてきた大人としての矜持と、同じ価値観を持つ若者への温かいエールが詰まっていて、二人の関係性が「単なる先輩後輩」を超えた「美意識を共有する同志」になった瞬間を感じました。
本をきっかけに始まった後輩との交流など、新たな物語が始まる余韻がありました。
作者からの返信
kou様
この度は読んでいただけただけでなく、コメントまでお寄せくださりありがとうございます。
「静かな図書室で一息ついたような、」というご感想・冒頭の言葉に、胸がいっぱいになりました。と言いますのも、創作をまともにやったことがなかったわたしが、書いてみようかなと思い立った時。近況ノートの一番初めに、このように綴りました。
「今はもう記憶の中にしかない、あの懐かしい校舎の図書室で、靴を脱いでくつろぎながら心に浮かんだアレコレを綴る場所。そんな感覚で、拙いながらも紡いでいけたらと考えています。」
それを、根底のどこかにおきながら言葉を綴ってきたので、「図書室で一息」という言葉には、そりゃ(勝手に)感激しちゃいます。きっとそれをご存知ないと思うのですが。
さすがです、kouさん。
中学生のヒリヒリ感。あの時の自分のずるさを眺める目。そして何より「どんな濁流にも飲み込まれない、真空」という、わたしが今作で大切にした一文を拾い上げてくださり、中島さんの孤高の美しさを一緒に眺め、感じてくださったこと。本当に嬉しいです。
あの日の中島さんと今の主人公が「ひとり、自分の席で本を読むという“真空”」に気づいていただきました。眺める側と眺められる側。あの日言いたかった言葉を別の人物から投げかけられる。 時を超えて交錯する気持ちや場面を丁寧に描きたかったので、そこに着目していただけて嬉しいです。
「素敵な小説」とのお言葉。…ちゃんと小説になっていましたでしょうか?汗 小説という未踏の地に足の爪先でも入れていたのなら嬉しいです。
ウェグナーや「星の王子さま」など、完全にわたしの趣味全開です笑 「美意識を共有する同志」とのお言葉! たしかにそうですね。まさにわたしは“それ”を描きたかったんだ✨と、kouさんのコメントで改めて気づきました。
……新しい物語ですか、なるほど。
後輩くんが『どこに立ってればいいんすかぁ? 退場ですか? 休憩ですか?』って頭の中で騒いでいるので、彼がまた何か勝手に喋り出したら、その時は書き留めておこうと思います(笑)
「労働に勤しむ」あれは自分にも言っていたりします笑
年度末ですし、kouさんもお忙しい毎日かと思いますが、お互い“勤しみましょう”💪✨ そしてどうかご自愛くださいませ。
この度は素敵なコメントををありがとうございました。