世界救出黙示録
アブクマ
オープニング 現実
やはり、不味い。
わかっていても、やはり不味い。
私の名はリューダ・コルセヴィチ。
この国が作った国営の傭兵部隊に所属している。
要するに――使い捨ての戦闘員だ。
「リューダ!ナニカの肉なんか食ってんじゃねえよ!何がいいんだか……!」
遠くから怒声が飛んできた。
私は口元についた青い血を拭う。
「ごめんごめん、今行く」
食べられるだけありがたいものだ。
私はイェーガーM56レバーアクションライフルを拾い上げた。
ナニカの身体は、青白く発光している。
私はもう一発、頭に対N用5.56粍弾を撃ち込んだ。
「何が美味えんだよ、あんなの」
「君たちが大嫌いな核薬の代わりさ。
君たちこそ、あんな不味いものをよく飲めるよね」
私達人間は、飽和した【恵み】を過剰摂取すると狂う。
ナニカと同じように。
だから、ナニカが持つ【恵み】を抑制する成分を摂取しなければならない。
【核】から採取された、半世紀前のアンティークな薬。
それを【核薬】と言う。
もちろん、とても不味い。
だから私は、ナニカを食べる。
高純度で、少量で済み、しかも飢えをしのげる。
「おめーまだ血ついてんじゃねーか……うげっ、目が光ってやがる」
「食べた後だもん、しょうがない」
ナニカを食べても、ナニカにはならない。
だが食べ過ぎれば、人間擬きになる。
だから私は、飢えをしのげるぎりぎりまで食べる。
その結果――
私は人間擬きに近い。
しばらくは、もうナニカを食えない。
それでもいい。
こんな世界でも、私達は生きている。
世界を滅ぼすために。
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