カブトムシ
青鷺
現在1
「あぁ、今こっちについた。」
「もうか、早いな。」
「少しだけ寄り道してもいいかな?」
「あぁ、全然いいよ、まだ夜まで時間あるし。」
「ありがとう、じゃあまた後で。」
「はーい。」
そう言って電話を切り、ショルダーバックにスマホを放り投げた。
地元に就職した春馬に5年ぶりに会うため、高校3年まで住んでいた、地元へ戻ってきた。
春馬との約束の時間まではまだ余裕があり、小さい頃よく遊んだタコ公園や、みんなでよく集まった昔ながらの駄菓子屋、そんな懐かしい、思い出が詰まったこの町を徘徊していた。
その途中で、あの錆びれた商店街が現れた。
まだ取り壊されていなかったのか。
商店街の入り口付近には、若い女性数人が立っていた。
「変わらないな。」
この商店街の景色を見ると、つい思い出してしまう。
あの子のことを…。
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