第20話 懐かしい気持ち

 白いベッドの上でフィガロは再び目を覚ます。初めて見る夢だった、砂絵の夢。まるで昔の自分を見ているような、懐かしい気持ちになった。

「フィガロ、大丈夫?」

「フィレオは?何処か痛いところとか無い?」

 身を起こしたフィガロは、自分が普通に立てる事に安堵した。そして、フィレオから砂の身体について説明を受ける。

「形を手放すの。念じるって言うのかな。ほら」

 フィレオは全身の力を抜き、砂の山となった。そして頭の上からまたフィレオになった。

 フィガロも試してみた。すると全てのしがらみから解き放たれるように……砂の山となった。

「上手だね!フィガロ」

 元に戻るには身体を起こすように。フィレオのアドバイス通りに元の姿に戻れた。

「これで出られる!」

 フィガロは歓喜した。あとは砂の状態での動き方だね。とフィレオが言ったと同時に、ロボットが食事を持ってきた。

「フィレオ、砂の身体でも食べ物って食べていいの……かな」

「もう要らないよ」

 そう言うとフィレオはロボットの頭を撫でた。するとロボットは砂となって消えた。

「さぁ行こう」

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