第10話 異性

「おはよう、フィガロ」

 目が覚めると、ベッドの四隅にフィレオが座っていた。

「フィレオ!」

 フィガロは嬉しさに満ち溢れた。

「今日は何をするの?」

「何って……あっ!」

 今日はロボットが着替えを持ってくる日かもしれない。……その不安が的中した。ロボットが入ってきて、古い服を要求してきた。

「フィレオ、僕を見ないで」

「なんで?」

「じゃあ後ろ向いて」

「こう?」

 フィレオが後ろを向いた瞬間、フィガロは服を脱ぎ捨て最速記録で裸になり、丁寧に拭かれる。それが終わった瞬間即座に新しい服へ着替え、ロボットが出て行くのを見届けると、後ろを向き続けているフィレオにフィガロは安心した。

「ふぅ、フィレオ、もう大丈夫……」

 フィレオの腰に巻かれている花からひらり、と花びらが地面に落ちる。

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