第8話 心のコントラスト

「フィレオ。私はフィレオ」

 夢で逢った少女の声は、何もない灰色の世界で確かに響いた。

 

 フィレオの黒い瞳にフィガロの顔が映し出された。

「フィガロはあの時と変わっていないよ」

「あの時?」

「うん。毎日会っていたよ」

 頭を抱えるフィガロに、フィレオは不思議そうな表情を浮かべた。

「あっ、この姿で会うのは初めてかも。ごめんねフィガロ」

 更に混乱するフィガロに、フィレオはもう一度夢の中で会いに来て。とお願いをした。

 頭が真っ白になったフィガロはよろよろとベッドに倒れこみ、眠った。

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