第2話


  その次の晩も、リリアは同じ夢に魘されていた。


 あやふやだったアンデッドたちの姿が少しづつ具象化されつつあって、朧げだが、輪郭やら、全体のニュアンスが把握できるようになり、敵が5~6体で、あたかもRPGのごとくに、ジョブ分担をしているらしいのもくっきりと腑に落ちてきた…夢の中での、こういう状況の変化には、特有の”意味のみの静かな前景化”というか爾後に感知される時間系列の混乱? そういう不可思議なスタティックさがあって…


 不死族のみのパーティー、ボロボロの腐肉が異臭を放っている汚わいの極致のゾンビパーティー。

 見るもおぞましい、絵に描いたような”究極の恐怖”の化身、身の毛のよだつ異質さの権化。


 そのパーティーを、かよわいサッキュバス、まだ幼弱で、初々しくすらある、リリアは単独で迎え撃たねばならなかった!!


 「どうしたらいいのお? 帰りたいよお💦 おしっこちびりそう…」


 リリアは半泣きだった。 



 




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