おれの人生設計は幼馴染のじゃじゃ馬女に破壊される
とびお
第1話 人生設計、早くも大破
「……くっそ、今日も計画通りに行かないか」
俺、
将来の夢? もちろん完璧な就職、完璧な生活、完璧な恋愛だ。
だが、俺の人生は早くも第1週目にして、大破寸前だということを、この時点ではまだ知らなかった。
原因は……あの女だ。
「悠斗〜、遊ぼうよ〜!」
天井の蛍光灯が悲鳴を上げるかのように、部屋のドアが勢いよく開いた。
その瞬間、俺の机の上に並んでいた完璧に整理された教科書とノートが、まるでカタパルトにでも載せられたかのように床に吹き飛んだ。
「うわっ、ちょっ! 何するんだ、春川ひなた!」
「あ、悠斗の計画帳だ〜! 見せて見せて〜♡」
そのじゃじゃ馬ぶりはもはや説明不要だ。幼馴染の春川ひなたは、小学校の頃から俺の人生設計書に小爆弾を仕掛け続けてきた、天然破壊神である。
しかも高校時代に一度「普通の女の子」になろうとして失敗した経験まである。つまり、生粋の悪意ではなく、ただ楽しみたいだけのタイプだ。
俺は額に手をあて、深呼吸する。
「計画通りにいかないのは想定内……いや、想定外すぎる……」
ひなたは机の上の書類の山を掴み、そのまま空中でぐしゃぐしゃに丸めて投げた。
「わぁ〜、紙飛行機大会だぁ! 悠斗もやろう〜♡」
「やめろぉぉぉぉぉ!!!!」
部屋の平和は一瞬で失われた。机の上に置かれた俺の人生設計書が、まるで焼け野原のようになった。
「でも、これで悠斗も少しは柔軟性が身につくんじゃない〜?」
ああ、幼馴染の口から出る言葉は、常に地雷入りギフトだ。
俺は人生設計通りの未来を夢見ていたのに、この女は文字通り手を出すたびにそれを破壊する。
「……柔軟性も大事かもしれないけど、これはちょっとレベルが違う!」
その時、ひなたは机に飛び乗り、俺の肩に手を置いた。
「ねぇねぇ、今日さ、映画行こうよ! ホラーかラブコメか、どっちにする〜?」
俺は必死に抵抗する。
「いや、今日は……えーと、俺、計画通りに……」
「計画? なにそれ美味しいの?」
……おわかりだろうか。俺の完璧な計画は、この瞬間、幼馴染のじゃじゃ馬パワーによって粉々に打ち砕かれたのだ。
その日、悠斗は初めて知った。
「人生設計って、他人に握られるとこうも無力になるのか……」
そして心のどこかで、この破壊神と過ごす時間が、まさか楽しくなるとは思ってもみなかった。
だがそれは、まだこの第一話の最後のカットだ。
明日、もっととんでもない事件が待っていることなど、悠斗は知る由もなかった——。
------
♡の応援ボタンを押していただけると励みになります。
コメントや共有、フォローなども嬉しいです。
宜しくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます