精霊の加護者達
夏至塚
第1話 序章
暗い山道を軽い足取りで歩いている、地の国アースから帰路の途中だった。ベルモンド・カイン[もうすぐ村が見えるな]そう呟き中腹から見下ろすと、そこには村が燃えている光景が見えた、暫し立ち尽くすカイン、そして急ぎ村に走るのだった。2刻前、暗い茂みから見張り台を見ている男達が居る。バンガー・ゴドル[喉と顔、、外すなよ]静かに2人が頷き弓を構え引き絞り矢を放つと見事に命中した、しかし顔に放った矢は目に当たり見張りは息絶える前に持っていた剣で鐘を鳴らす、深夜に大きく響き渡る鐘の音、惨劇の始まりになるのだった、、ゴ[奇襲は失敗だ、3人一組で行動する]すっと茂みから出てくる男達。ゴ[いつも通りだ1〜5隊は金目の物、食料、女を捕らえろ、6隊は退路の確保と荷積みだ2刻、遅れるな]この盗賊団は20年は捕まっていない素早い行動と掟で生き延びてきたのだ。かぁ〜んっと大きく響き渡る鐘の音でセレスは目が覚めた。ランカール・セレス[警戒、、危険を知らせる鐘、、]直ぐ起きると短刀の元へ急ぎ服の中に隠し持った、暫くすると悲鳴や叫び声が聞こえてくる。セ[カイン、、]愛する名を呟き身を隠す場所に行こうとすると玄関の扉が壊れ男2人が入って来た、月光石に照らされるセレスにゴドルは言った。ゴ[美しい女だ、、俺の女になれ死にたくなかったらな] セ[私はカインの妻それ以上、近付くと自害します]真っ直ぐ言い放つと短刀を首に当てた。セ[早く出ていって貴方達に差し出す物はないわ]睨みつけるセレス。ゴ[わかった、わかった出ていくよ]振り向くと見せかけて飛び掛かってきた。セ[(カイン、、ごめんなさい)]捕まるより速く首筋に短刀を突き刺した。ゴ[何て女だ、、本当に自害しやがった]膝から崩れ落ちるセレス、床に血溜まりが出来る。ゴ[ちっ金目の物を探して出るぞ]部下に指示して部屋を出る、口から血を吐くセレス、薄れゆく意識の中でカインを思う。セ[(カイン、、もっと一緒に生きたかった、、ごめんね)]涙ながら息絶えた。ゴ[よし、刻限通りだな]周囲を見渡すと全員揃っていた、ゴドルが荷台を覗くと調度品、布、食料、貴金属が積まれていた。ゴ[女が居ないな] 部下[此処の女達、全て自害しまして] ゴ[そうか、引き上げるぞ]号令を出すと盗賊団は闇に消えていった。村の入口に到着したカイン直ぐにセレスの元に向かった、破壊された扉に嫌な予感と不安が込み上げてくる、家に入ると血溜まりの中でセレスが倒れている急ぎ駆け寄って抱きかかえるが息絶えていた。べ[セレス、セレス、、、うわあぁぁぁ~]悲痛と絶望の叫びが響き渡る、カインは泣きながら言う。べ[セレスは俺の為に自害したんだ、、俺の為に、、]側にあった短刀が見える。セレスを抱きかかえると村の外へ歩き出す半刻、歩いた先に透き通る大きな湖に着いた、満月の光で湖面が輝いている、幾度とセレスと見た光景に涙が出てくる、カインはセレスを抱えたまま湖に入り腰の深さになるとセレスを離した。べ[待っててくれ、、精霊の加護を授かってくる、そして生き返らせる、、必ず]目を閉じ決意し黙祷を終えると空に叫ぶ。べ[盗賊共、絶対に許さん必ず見つけ出す]闇夜に怒りの声が響くのだった。
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