第10話 うたた寝
なんだかんだで、カナ、裕也、ガクト会長、ヒナコ副会長が下校に付き添ってくれる事になり、アタシには早退の自由すら無くなってしまった
まぁ、飽くまでも好意によるものだから無碍にする訳にもいかないかぁ
ええカッコしいで暴走しがちなガクト会長の手綱はヒナコ先輩に任せよう
というか、アタシは男の子は苦手だ
どんな風に接して良いのか良く解らない
自慢じゃないが生を受けて16年間、彼氏は居ない
裕也は親友のカナの彼氏だから、何とか話せるけど、小学生の頃に両親が居ない事を揶揄われてから、とにかく男子は苦手だ
多分、トラウマって奴だな
別にアタシが引きこもりとか言う訳じゃ無い
陽キャが苦手な訳でも無い
カナなんて金髪に化粧までしてるギャルだし、なんなら実家は風俗店だ
カナの両親やお店のお姉さん方には可愛がって貰ってて、お化粧とか服とか色々貰うけど、アタシが黒髪のままなのは、育ててくれた祖父への義理立てだ
昔気質の祖父の手前、アタシまで髪を染めてチャラチャラする事は出来ない
だけど男子は駄目だ
アイツ等にはデリカシーって物が欠落してる
まるで子供みたいに、平気で人の心にズカズカ土足で踏み込んで来ようとする
裕也にしろガクト会長にしろ、高校生の年齢ともなれば、もう互いに子供を成せるのだと言う自覚と覚悟が見受けられない
カナもどちらかと言えば、恋愛を遊び感覚でいるみたいだけど、一つ間違えれば自分が母親と為ってしまう事は理解してる
まぁまだ若いんだし、
大人は良く解って無いみたいだけど、今どきの女子は小学生の内に初体験を済ませる子が多い
子供も孕めない内から興味本位でそう言う事をするのはどうかな?
相手は勿論同学年じゃ無い
ガキんちょのオモチャみたいなオチ◯チンじゃあ行為自体が成り立たない
かく言うアタシはれっきとした処女だ
バージンである
小学生の頃に襲われそうに為った事は在るけど、カナのお陰で未遂に済んだ
思えばアレもアタシのトラウマの一つだな ……
パシンッ!!
「へぁっ!?」
「寝るな日ノ本」
うたた寝してたアタシの後頭部を教科書の角で叩いた現国教師に叱られる
しまった、考え事してたら、いつの間にか寝てた
叩かれた頭を何気に触ると、角の手触りが ……
拙い!
うたた寝したせいで、角が出てる!?
「せっ、先生!アタシちょっとトイレに!!」
「はあ?」
返事も聞かずにオデコを手で隠しながら教室を飛び出し、女子トイレへ駆け込む
手洗いの鏡で確認すると、5cmほどに伸びた角が有る
慌てて蛇口から水を出すと、頭を突っ込んだ
ジャバジャバ!!
何で?
エッチな夢見てたから?
誰にも見られなかったよね?
パニックのせいか、顔の火照りが収まらず、冷水を浴びてるのに角が中々小さく為らない
思わず鏡に写る姿を確認しようと顔を上げると、角が生え、眼の色が金色に光るアタシの顔と一緒に、背中越しに驚いた表情のカナの姿が見えた
「モモ …… ?」
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