マイノリティは潰されるだけ

こよい はるか @PLEC所属

マイノリティは潰されるだけ

 苦しい。

 息をするのが苦しい。


 不幸の上に幸せはある。

 分かってるけど、苦しい。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 もうみんな知ってるかもしれないけど、私って小学校の頃、独りだったんだ。


 うるさいし、みんなの害だから。遠ざけられて当然だった。


 だから黙って、できるだけみんなに嫌われないように振る舞った。そういうつもりだった。でも定着しちゃったキャラは、消えなかったの。

 私が居た「トップ」っていう立ち位置は、誰が立っても嫌われるものだった。


 そういう経験があったから、私は逆中学デビューをしようとした。


 でも羨ましかったの。入学式の日、先生が話している間にもこそこそと話をしていた、後ろの席の二人が。私はその二人を知らなかったし、二人同士も初対面だった。


 私も会話に入りたいな、って、そう思った。二人みたいに笑いたい。刺激が欲しい。今まで溜めていた二年間を、放出した。陽キャになって、色んな人と話して、入学式の帰りにはみんなに挨拶したし、居残りもした。

 でも次の日からクラスの中心にいたのは、私以外の二人だった。


 分かってたの。私なんかが必要とされないことくらい。分かってたけど、欲しかったんだ。小学校下学年の頃のあの平和な雰囲気が。何でも許せちゃうような雰囲気が。

 でもそんなのはやっぱりただの叶う筈のない望みだった。

 格好悪いね。


 小学校、みんなとの別れ道を進んだ。全てをリセットしたつもりだった。

 でも、前の私を知ってる人も居るし。結局何もできなかったし。

 必要とされないねって、そう思った。




 中学校に入る一ヶ月前、私は一年半のブランクを経て此処に戻ってきた。

 嬉しかった。解放された。


 当時の代表作も星の数はうなぎのぼり。久しぶりに承認欲求が満たされた。


 そんな中、私はある人に出会った。


 凛とした人だった。いつも周りに迷惑をかけないように最大限の注意を払っている。私とは大違いだった。すごいなって、思った。


 すぐに君はカクヨムを始めた。話が合った。これだけ小説を話せる人はいない。とても嬉しかった。小説を書くという行為が普通だということを、教えてくれた。自分だけじゃないんだって思えた。

 カクヨムのみんなも温かかった。


 でも、現実はそう簡単にはいかなくて。

 私の想いなんて一方通行だ。

 恋愛も、友情も、上手くいくわけがない。

 だって、あの頃と何も変わってないんだから。


 不幸のマイノリティの上に、幸せのマジョリティが立つ。

 私ってどっちなんだろう。


 ずっと何かが違うって思ってる。人に流され、人に任せ、こんな生き方をしていいのかって思う。

 でも変えられない。変えてしまったら今度こそ、叩かれる。幸せが終わる。全てが終わる。


 私は、きっと怖いんだ。変わることが怖い。

 不変を望んでいる。大体、変化なんて悪いことしか起きないんだから。


 クラス替えで、君は離れるし。私は応急処置に使われるし。

 あっちとの人間関係が修復したら、戻ってくんでしょ。私はただの玩具。知ってる。


 ——そのことを分かってる人って、実は意外に少なくて。

 本当にお互いを大好きでいたら、こんなことにはならないんだよ?


 ねぇ、お願いだから、人として見てよ。

 私を、玩具にしないで。人間にして。


 周りと一緒がいいよ、独りは嫌だよ。


 そう思って、また立ち止まって。




 でも、その痛い痛い脚を叩いてもう一度立ち上がることができるのは、今読んでいる貴方のおかげなんです。

 私の物語を必要としてくれる人が居る限り、私は書き続けます。


 何があっても、書き続ける。

 だから応援してください。もし応援してくれて、アドバイスくれて、推敲して、賞とって、書籍化したらもっとたくさんの人を救えるかもしれない。


 だからお願い、そのために力を貸してください。




 例え、


 私が、


 貴方が、


 マイノリティだったとしても。

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