『他者というガラス』
僕らはいつも
ガラスの向こうで手を振っている
触れれば砕ける薄膜に
息を吹きかける
君の声は水中で
光の屈折として届く
歪んだ言葉の粒を
掌で温めている
すれ違うたび
影踏み遊びをしている
足跡が重なっても
温度は混ざらない
街灯に照らされて
できる影は二つ
どちらも本当の形じゃなくて
ただの光の残像
君が笑うたび
誰かの台詞が零れる
僕が泣くときも
借りた涙が頬を伝う
定められた星座のよう
近くて遠い存在
人の形をした何かと
また今日も手を振る
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