第10話

フォレストウルフを倒したあと死体を回収して、まだ日が落ちるまで時間がありそうだから見つけられていない魔力草を探すことにした。

とりあえず来た道には見当たらなかったから、少し迂回して街の方向へ帰りながら探そう。見つからなかったら仕方がない。

依頼の期限は物によるが、魔力草は3日前後だったので大丈夫だろう。

そりゃ即日で見つからないこともあるだろうしな。

また魔物との戦闘にならないように気配を消して移動する。

うーん見つからない、早く素材スキャンが使えるようになりたいな。そうすればもしかしたら珍しい素材採取で稼げるかもしれない。

そんなことを考えながら魔力草を探す。

一枚でも見つかれば図鑑で生えている場所とか分かるかもしれないんだけどな。

薬草が魔力の有る木の根元に生えやすいなら、魔力草は名前の通りもっと魔力が濃い場所や木の近くに生えているのかな?

まぁ魔力が多いとどうなるとかもわからないんだけどな!

そうして探していると一本の木が目に止まった。

他の木々に比べてかなり大きい、存在感のある木だ。

気になって近づいて調べてみる、なんというか幹も太くて上の方には道中で取っていない果実も生っている。

なんとかよじ登っていくつか果実をインベントリに収納する、これも図鑑埋めのためだ。

果実を回収して下に降りたあと、木の周りを調べてみる。

すると根元の部分に空洞、木の洞のようなものがあったので除いてみる。


「おっ、これは...!」


根本の大きめの空洞には大きな葉で青みががった草が生えていた。

多分これが魔力草だろう。

手を空洞の中に伸ばして生えている分を採取していく。


「とりあえずこれで依頼は達成出来たな、帰るか」


俺はマップを開いて現在地を確認し、街へと帰ることにした。

もちろんまたフォレストウルフなどに出会うかもしれないから警戒は怠らない。


そうして日が暮れかけた頃、エルベールの街の北門へたどり着いた。

門兵さんにギルドカードを見せて街へと入る、そしてギルドへと報告へ向かった。

到着したギルドの中は依頼の報告をしている冒険者で賑わっていた。

昨日と同じく納品するカウンターへと向かうと同じく眼鏡をかけた男性職員が対応してくれた。


「今日はフォレストウルフなどを狩ったのですが、えっとどうやって納品すればいいですか?」


「あぁ、そういう大きいものなら奥にある解体場で受け付けているよ。このカウンターは鉱石とか、薬草とか、そういうものだね」


「では依頼の魔力草はこちらに納品しますね」


そう言って俺はカバンから出すふりをしてインベントリから魔力草の束を出す。


「おぉ!魔力草かい、これも薬草と同じで需要が多い割になかなか見つからないんだよ。まぁMPポーションならダンジョンでもドロップするけど低級でもそこそこ高値になるからね」


「あ、それと薬草もいくらか採取したので一緒に提出しますね」


「ありがとう、近頃はやはりみんなダンジョンダンジョンだからね。僕としてはフィールドワークをもっとしてもらいたいんだけど...っとこれが報酬金だよ」


そう言って眼鏡の男性職員は支払いをしてくれた。

俺はありがとうと礼を言って、奥の解体場へと向かった。


解体場の近くまで来るといろんな音が聞こえてくる、職員たちの声だったり、カンカンカンと金属を叩く音だったり、何かを砕くような音とか色々だ。

いきなり入っても危なそうだし、どうしようかと入口付近で中を見ているとガタイの良い男職員だと思われる人に声をかけられた。


「おぅ!兄ちゃん、なにか納品か?にしては手ぶらだが...」


「あぁ、えっと、マジックバッグ的なものを持っていて」


「ほぅ!そいつは便利だな!見た所駆け出しっぽいが大事にしろよ!それで何持ってきた?」


「フォレストウルフです、2匹なんですがどこに出せばいいですか?」


「おう、それならもうここに出していいぞ!状態確認して大丈夫だったら報酬と交換できる札渡すからよ、カウンターで交換してくれよな」


そう言われたので同じくカバンから出すふりをしてドドンとフォレストウルフ2匹をその場に出した。


「さて、ちょっくら確認させてもらうな。ふむ、こいつは傷もなくかなり綺麗なまま、もう一匹は少し傷はあるが同じく綺麗だな。兄ちゃん討伐は初めてか?才能あるぜ!」


ガハハと笑いながらおっちゃんは札を渡してくれた。

インベントリのレベルが上がると自動解体があるからあまり利用することもないかもしれないけど、まぁ依頼によってはそのまま出さないと行けないから利用することもあるか。それに自動解体ってのもだいぶチートっぽいしな。

札を受け取ってさっきの眼鏡の男性職員のカウンターに戻り、報酬金を受け取る。

今日は合計で30銀貨になった、かなり美味しい。

というか宿屋は一週間で銀貨10枚だったな、まぁ冒険者は危険だしフォレストウルフも子供が狩れる訳もないしそんなもんか。

俺はインベントリあったから二匹持ってきたけど、普通なら運ぶのも大変そうだ。

ダンジョンは倒した敵がアイテムになって出てくるのだろうか?ならそのほうが沢山運べるしみんなそっちに行くのも頷けるな。

俺も早くダンジョンに行きたいと思う、がしかし。エリアを埋めるのもこうやってコツコツ依頼をしていくのも嫌いじゃない。

思うにダンジョンはもっと連続して戦闘とかが発生しそうだし、そもそも俺が今やっている不意打ち戦法も出来るか怪しいよな。

そう思うと別の戦える職業のレベル上げとかをしてから挑むべきだろう。

そんなことを考えながら俺は宿への帰路についた。


【子猫の微睡み亭】へと戻った俺は女将さんに声をかけてそのままご飯を食べた。

内容は相変わらず同じだった、週替りなのだろうか?まぁ食えるだけありがたいがそろそろ飽きてくる。

なんとか自分でも料理をしてみたい。


食べ終わり部屋に戻って、そういえば色々回収したなと思ってインベントリの中身を確認することにした。

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