TRAVELER'Z LALA
白木飛鳥
序章 第1話 「夢」
逃走から3日目。
〈ナギ!ナミ!早くここから逃げなさい!こんなところあなたたちがいては・・・・〉
「は!はぁ・・・。はぁ・・・。またあの夢か・・・。」
「兄様・・・。またあの時のことを・・・。」
「大丈夫だ・・・。すまない。ちょっと顔を洗ってくる・・・。」
ここは、ノヒンという国の森の中。俺たち兄妹はとある場所から逃げてきた。
俺の名前は、アララギ・ナギ。妹は、アララギ・ナミ。
俺たちは、ノヒンの首都から逃げてきた。
「兄様。大丈夫ですか?日が昇るまで1刻ほどですが・・・。歩く支度でもしますか?」
「ナミは寝なくていいのか?お前こそ眠りが浅いだろう・・・。」
「私は大丈夫ですよ。」
「それならいいのだが・・・。」
「それにしても、どこまで来たんでしょうか?そして、王都の者たちは大丈夫でしょうか?」
「おそらくもう少しで、ヒマワリの里を超えるだろうな。ここはおそらくヒマワリの里の端の森だな。王都の者たちは・・・。わからないな。」
「すいません。考えないようにはしてるんですが・・・。」
「仕方ないさ・・・。だが、いつ追手に見つかるかわからない。早めに離れよう。」
俺たちは、日が昇る前から移動を始めた。
しばらくすると、もりを抜けた。開けた場所に来た。
「そこの男女。そこで何をしている?」
「すまない。しがない旅人なのだが少し、森に入ってしまってな。」
「そうだったのか・・・。ここの森は魔物が出るというでな・・・。」
「そうなのですか。気を付けますね。ありがとうございます。」
「いーやいいのさ。あとは、最近国の中央から変装した兵が来てるからな。そういうやつに見つからない方がいいぜ?元元首と元女王?」
『?!』
「まずいぞ・・・・!ナミ!俺から離れるなよ!」
「はい!兄様!これからどこに向かいますか?」
「まずは・・・。こいつを撒かないと・・・。こいつを倒せればいいのだが・・・。」
「ほらほら。どうして逃げてばかりなんだ?いつまでたっても逃げられないぜ?なぜなら俺は・・・音速だぞ?」
「それはどうかな・・・。ナミ。逃げるためだ。許してくれ。」
「・・・。わかりました。私も手伝います。」
『【豪火龍】!』
俺たちは追手を撒いた。出てからすぐに戦闘になったがナミはあくまで部下だった者たちに攻撃ができないと言っていた。
「兄様、申し訳ありません。私のせいで・・・。」
「いいんだ。俺もできれば攻撃はしたくないさ。兵たちの中には、顔なじみもいたりするからな。今後も、無理はしなくてもいいのだぞ?」
「いえ・・・。兄様ばかりつらい思いはできません。」
その後も、追っては頻繁に現れ、そのたびに戦闘や逃走をしていた。
そして・・・。
「やっと追い詰めたぞ・・・。手間かけさせやがって・・・。」
「くそ・・・。ここまでか・・・。」
「ナギ様!ナミ様!やっと追いつきましたぞ!」
「我々がくればもう大丈夫です!」
「遅くなって申し訳ありません!」
「お前たちは・・・!」
『【豪火龍】!』
「ふう・・・。これでも増援は来ないですね。お待たせして申し訳ありません。」
「お前ら・・・。どうしてここに?」
「ついてきてはだめといったでしょうに・・・。」
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