雪合戦〜名コム小説第10作目〜

きっちゃん

第1話 機械と雪

お月見から早3ヶ月。リンゴの時期もそろそろ終わり、芯から体が冷えるような日が増えてきた。今日の天気予報によると積もるくらいの雪が降るそうだ。ティブロで雪が降るのは毎年のことでまたこの季節が来たのかと感じていた。


マーちゃん「とうとうこの季節が来たか…」


クリック「ティブロの長い冬が始まりますね😓」


マーちゃん「雪が降ると客足が少なくなるから売り上げに影響してくるんだよな…」


クリック「そういえば機械を外に置いたままですけど大丈夫ですか?」


マーちゃん「忘れてた!今のうちに中に入れておかないとな」


当然だが機械は水、雪に弱い。機械に溢れているティブロ王国では外に機械が置いてあることが多いので雨、雪が降る前日には機械を中にしまうという作業がある。また、機械はそう軽くない。一人で持ち上げることは出来なくはないが怪我に繋がる可能性がある。だから俺は機械をしまう時、近くの住人に手伝ってもらう。クリックと一緒にやってもいいのだが万が一クリックが怪我をしてしまったら危ない。もちろん手伝ってもらったあとは俺も手伝うことにしている。お互いに助け合うのがティブロの住人の特徴でもある。


コーセー「先手伝ってくれないか?手伝ってくれたらそっちも手伝うから!」


マーちゃん「わかった!すぐ行く!」


俺は隣の住民、セリカ・コーセーに手伝ってもらうことにした。彼は元警察官で筋肉は人並み以上ある。いつも機械を動かす時はコーセーに手伝ってもらっている。コーセーがいると機械を動かすのは30分程度で終わる。


1時間後


コーセー「よし、これで最後だね」


マーちゃん「ありがとう、お礼にリンゴをあげるぜ!」


コーセー「ありがとう!」


マーちゃん「さて、雪かきの道具を倉庫から出そうか」


冬に使う道具はマーちゃん商店の裏側にある倉庫に入れてある。1年に数回しか開けないので毎回開ける時は結構な力がいる。だが男性の力ならそこまで苦労せずに開けられるだろう。


マーちゃん「はぁ、ここを開けるのがしんどいんだよなー」


俺はそう言いながら鍵穴に鍵をさした。倉庫もだいぶ年季が入っている。鍵はすぐにさせるのだがコツを掴まないとなかなか開けることができない。コツとしては鍵を上にあげながら扉を押し、クルッと回せば割とすぐに開く。


ガチャ


マーちゃん「ふぅ、やっと開いた。たしか雪かきセットはここら辺にあるはずなんだが…。ん?これは?」


俺が見つけたのは俺がまだ商店をやり始めた頃、ジョンと一緒に雪合戦をしている写真だった。


マーちゃん「懐かしいな…。あれは7年前だったか?」










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