勉強も運動も「普通」であることに絶望し、特別な環境に憧れるあまり無意識に死すら夢想してしまうほど空虚な毎日を送る高校生の翔奏。
ある日彼が帰宅すると、自室のベッドになぜか見知らぬ美少女が入り込んでいました。
しかも彼女は、かつて翔奏の傍にいた「瑞葉」という黒髪の少女と瓜二つの容姿をしていて――。部屋を病院と勘違いしているような不審な言動や、突如として何かに怯えだす彼女を放っておけず、翔奏は自ら床で寝ることを選び、奇妙な同居生活をスタートさせます。
本作の最大の魅力は、軽快で甘いラブコメディの裏に潜む、ヒリヒリとした痛みを伴う心理描写の深さにあります!
寝相の悪さから不意の「膝枕」が発生してしまうような思わずニヤニヤする同居ならではのハプニングがありつつも、夢の中で流す少女の切ない涙や、翔奏が抱える自己嫌悪の闇が痛いほどリアルに胸に迫ってきます。
過去の面影を重ねて葛藤しながらも、不器用にお互いを思いやる二人の距離感に強く惹き込まれること間違いありません。
心の傷に寄り添うような、切なくも温かい青春ミステリー・ラブコメを求める方に激推ししたい傑作です!