　作者の文章力の不足を補うために注釈を用意しました。説明不足でわかりにくいと思われる事柄を中心に記述しています。必要に応じてご活用ください。

１　この作品は近未来を想定したフィクションです。参考とした資料はありますが、必ずしも現実のものとは一致しません。

２　「テクノリバタリアニズム」とは、高度なテクノロジーを用いてリバタリアニズム（自由原理主義）の思想を実現しようとする思想のことで、「テクノリバタリアン」は、その思想を信奉する人々のことです。物語上、極端な解釈をしています。なお、ルビで表記した「技術信奉型自由主義者」は一般的な訳語ではありません。

３　「プロナタリズム」とは、高い出生率を支持する政策や価値観のことで、前項と同様、物語上の解釈です。ルビで表記した「出産奨励主義」は、前項と異なり、一般的にも使われる訳語ですが、「出生主義」と訳されることもあります。「テクノリバタリアニズム」とは別個の思想ですが、この作品では両者が結びついた世界を描いています。

４　「システム（The System）」「ゲーム（The Game）」「トーナメント（The Tournament）」などは定冠詞を付けて固有名詞化しています。

５　「アーベイン（Urbane）」「フォーク（Folks）」などは既存の英単語を転用していますが、いずれもこの作品における特定の社会階層を表す用語として定義しています。

６　「物理保存」は本作における造語です。ほとんどの情報がデジタルで処理・保存される時代において、紙媒体やオフラインのストレージなど、物理的な媒体にデータを保存する行為を区別するために設定しています。