パーティーがゴミなので、壊そうと思います

爽田

第1話 


孤独な冒険者、アルス・インストール。

そこそこレベルも上がり、

中級魔獣くらいなら一人でも倒せるようになった。

そんなある時。


「君、ひとりなんだって?俺らのパーティーに入ってくれよ!」


赤髪の男が俺の前にでてきて、

ドヤ顔で言ってきた。


「…あ、えっと」


「あぁ、ごめんごめん。俺はワルツ・クワルツ。君は?」


「名前も知らずに誘ったんすね、俺はアルス・インストールっす」


「おっけー、アルスくん。結論からいって、俺らのパーティーに入らないか?」


「できれば過程も欲しいす」


「うちの仲間がもう一人ほしいって言うんだ。言うこときかなくてさ、そいつ」


「…まあ、全然いいですけど。よろしくっす」


「敬語外していいよ。敬語かは分かんないけど」


「あ、じゃあ。よろしく。…ワルツ」


そう言って、俺はワルツと握手を交わした。

…それが大きな間違いだったと知らずに。


***


「きみが新入りぃ?おおっきぃねぇー、きみ」


「…堅そうな男ね。本当にこいつでいいの?ワルツ」


「そう言わないでやれよ、ティファ。えっと、自己紹介してくれ」


「あ、アルス・インストールっす。よろしく」


「わたしはぁ、ラリエル・クロルだよぉ。これからよろしくねぇ、アルくん」


「…ティファリス・アイリス。気軽に話しかけないで頂戴」


「ラリエルさんとティファリスさん…。おっけです、覚えたっす」


「今日はこことあそこのテントで泊まるから、君はあそこのテントで。そこに一人いるけど、気にしないで」


もう一人いるのか。

てっきり、これで全員かと思ったけど…どうなんだろう。


なにせ、今まで一回もパーティーに入ったことなかったからなあ。

パーティーの平均的な人数って知らないし。

3人が多いのか少ないのかも分からん。


「失礼しまーっす。…っと、きみか」


「…!だれ、?」


中にいたのは、水色の少年。

…ああ違う、水色の髪の少年だわ。

なんか肌が水色の魚人みてーになっちまった。


「えーっと…、俺はアルス・インストール。あんたは?」


「…えっと、その…。ユキアです」


「おっけ、ユキな。…やべ、リーダーの名前なんだっけ…」


人が多すぎる。

いや、少ないのか?

ちょっと名前がこんがらがってきた…。

ワルツ・アイリスだっけ?

リーダーの名前…。まあいいか。


「…にしても、なんでユキだけこのテントなんだ?」


「…そ、それは…。僕が、雑用係、だから…」


雑用?

パーティーに雑用なんているか?

…いや、いらねえな。

しかも、あっても12歳くらいの少年が?


「…あー、やべ。ゴミな臭いがプンプンしてきたぜ」


アルス・インストール、また巻き込まれたらしい。

…何もないといいけど。


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