第2話 小さな違和感
スライムからの攻撃。
(ゲームと似たような挙動の攻撃か、これなら避けれる。やっぱり俺はゲームの世界に転生したんだな)
華麗に攻撃を回避して入れ違うように攻撃を入れる。
そこまでは良かった。
(ん?)
スライムに攻撃は命中したはずだ。しかも弱点。手ごたえはあった。
「ギュピピ」
スライムは倒れない。
原作だと一撃で倒せるはずなんだが。
(武器が弱い、か。俺のステータスが弱いのか。乱数が極端に悪いのか。それとも全部が悪い方向に噛み合ったか)
とりあえずもう1発入れておこう。今は反省会をするべきときではない。
ズバッ!
今度こそはスライムが倒れた。
(ワンパンで倒せなかったのは偶然か?)
とにかく次だ次!
◇
30匹倒し終えたけど、すべてのスライムをワンパンできなかった。
「微妙に体力が多い個体ばかりだったのか?まぁそういうこともあるか?」
原作では本当に運が悪いと2回攻撃必要なスライムもいたのだが、ほとんどありえない確率。
ひょっとするとそういう不運が連続して起きたのかもしれない。
これが本番の悪魔ってやつか。今まで経験したことがなかったことが起きる。
「なにはともあれスライムの討伐は終えた」
しかしあまりレベルが上がっていないように感じる。
(ワンアタックボーナスが得られなかったからか?)
原作には一撃で倒した時経験値にボーナスがあったのだが、今回はそれがなかった。そのため得られる経験値が少なかったのだろう。
「もう少しレベルを上げたいが今日のところは日も暮れてきたし帰るか」
本当のところはのんびりなどしたくないが夜は色々と不都合が多い。(例えば強いモンスターが出てきたりする)
家に帰るとすぐに部屋に向かうことにした。
部屋の中でやることは決めている。
「ファイア」
ひたすら魔法の練習。
指の先に火の玉を出しては消して、それを繰り返す。
これは魔力の最大値を増やすのにうってつけの行動。
序盤はこうして増やすことになる。
(こういう小技は原作通りできるようだな、ありがたい)
そうしていると扉がノックされた。
「坊っちゃま」
女の子の声。
聞き覚えがある。
「入りなよミーナ」
カチャリと扉が開き入ってくるのはメイド服に身を包んだ少女。
俺の様子を見て目を見開く。
「ま、魔法の練習をなさっているのですか?」
「あぁ、いちばん簡単なファイアだけどね。それがどうかした?」
「あ、いえ、なんでもないです。でもすごいですね。坊っちゃま」
「なにが?」
「魔法なんていう高等なものが使えるなんて、素敵です。しかも火属性魔法って最高難易度なんでしょ?」
(プレイヤーを喜ばせるお世辞みたいなものか)「ありがとう」
「森の中で大量のスライムが倒されてたみたいですね、いったい誰がやったんでしょう?スライムってとても強いモンスターなんですけどね。A級冒険者が苦戦するようなモンスターなんだとか。そんなすごく強い人がこの近くにいるんですかね?」
「うん。そっか」
それ以降もミーナは色々と話しかけてきたが、俺は「うん」とか「すん」とか言いながら聞き流していた。
RTA的にはこの子との会話はほとんど意味のないものばかりだしな。何を言ってるのか何も覚えてない。
俺は嫌いじゃないけどRTAプレイヤーからは話が長いので不評な子である。
数時間後。
魔力の最大値も少しだけあがり、ほかの魔法を使えるようになったので新しく魔法を習得する。
それは【ヒール】という魔法。
このゲームのヒールはなかなかぶっ壊れている。使うと本来は睡眠でしか回復しない傷や疲れなども回復する。
つまり眠る必要がなくなるというわけである。
ショートスリーパーもびっくりの不眠不休戦士の完成である。
夜は基本やることもないのでこういう風に魔法の練習に費やすことになる。
「ファイア、ファイア」
「ふれー、ふれー、ぼっちゃーまー」
知ってる世界に転生できたのは嬉しいな。
強くなれたら思いっきりこの世界を楽しんでやる。
そのためにも今は俺だけが知っているチャートを使って最速で強くなるだけだ。
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