第2話 これは、モテフラグ!!

配信を眺めつつ、買ってきた牛丼(大盛り)を食べる。

ちょうど食べ終わった頃に、『盟友』がオークと遭遇。

『はっ!そこ!!』

『「水切アクアカッター」』


:おぉ、コンボ決まった

:オークを瞬殺..すご

:さすが盟友!!!

:おめでと!


『いやぁ、上手くいったね!お肉は出たかなぁ?』

『出たみたいだよ、皆ありがとう...』


:にしてもでかいなぁ

:ざっと1kgはありそうだよな

:あおいちゃんかっこよかったよ〜!

:ほむらっちエグすぎwww


「うんうん、ちゃんと連携取れているし、相手の攻撃も見切ってる。これなら、23階層は無事かな」

今日も可愛い...なんて、鼻の下を伸ばしていると、スマホに着信が入る。

「ったく、誰だぁ...?もしもし〜」

「影よ、こちら魔研第三支部。ダンジョン災害の予兆を確認した。場所は新宿。規模はわからない。対応を求む。繰り返す、ダンジョン災害の予兆(プープー」

新宿ダンジョンへと、走るのであった。


異変なんて、唐突に起きるものだ。

ダンジョン災害は規模にもよるが、最たる例と言える。

「..今、地面が揺れた?」

「葵も感じた?これってまさかね...」


:まさかダンジョン災害?

:でも、公式からでてないぞ

:ダンジョンの地面が揺れたってことは...

:二人とも気をつけてね!


「ちょっと戻ろっか」

「うん、階段なら安全だもんね」


:無事を祈る

:おいそれフラグ

:あ〜あ、フラグたった


その瞬間、地面が激しく揺れ出した。


「魔力探知は20階層付近...って!『盟友』にも被害が及ぶじゃねぇか!」

黒の外套を羽織り、影に隠していた相棒に乗ってダンジョン内を爆走する。

揺れからの予測は小規模レベル、異変が起きても中規模には届かないだろう。

しかしそれは揺れのみの場合。

ダンジョン災害は、ダンジョンが魔力を集め成長することを指す。

つまり、魔力の集中した場所は、揺れ以外の"異変"に見舞われるのだ。

「やっと20階層か」

相棒の最速で3分、家から出てすでに5分が経過した。

『盟友』の配信は中断されており、声も聞こえない。

「とりあえず、魔研3支部には連絡。目立った変化はなしっと」

相棒を影にしまい、走りながら気配を探る。

21、22、ともしかしたら戻ってきてるかもしれないからだ。

「どうやら、心配は杞憂そうだな」

23階層に、二つ、人の気配らしきものがある。

安心したのも束の間、二人の近くに強力な魔力反応を感じる。

「頼むから、間に合ってくれよ...!」

可愛いは守る、その信念に則り、全速力で駆けつくのであった。


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