1分de修羅場
ケーエス
万博de修羅場
――メッセージが届いています
「万博いこーよー」
「おお、行こう!」
「いつ空いてるの?」
「日曜なら空いてるかな」
「じゃあ次の日曜は?」
「ごめん、予定が入ってる」
「そうなんだ、再来週の日曜は?」
「ごめん……。今予定入った」
「今? どゆこと」
「なんもない」
「なんもないってなんかあるでしょ」
「いや」
「そもそも日曜空いてるっていうのに、なんで予定が入ってんの? おかしいじゃん。どういうこと? なんで嘘つくの?」
「空いてるかなあっていっただけ。空いてるとまでは言ってない」
「なにそれ、そんな言い訳通用すると思ってんの。え、なんか隠してんの?」
「隠してなんかない。友達と遊ぶだけだって」
「本当なの? 友達? 誰?」
「ユウキ、ユウキ」
「なんで2回言うの? ホントにユウキだけなの?」
「んまあ……大学の後輩もいるけどさ」
「大学の後輩? 男? 女?」
「今の時代男とか女とかさ関係ないだろ」
「関係あるでしょ!」
「別にお前彼女じゃねえし」
「え」
「あ、いや違うんだ」
「彼女じゃないってどういうこと? 私たち付き合ってるよね? あんたがコクってきたんだよね?」
「そうだよ、そうだよ」
「なんで2回言うの? 嘘ついてるときは2回言うシステムでも導入してるの?」
「落ち着いてくれ」
着信 📞
「落ち着いてくれ」
着信 📞
「落ち着いてくれ」
着信 📞
「落ち着いてくれ」
「出ろよ」
「本当に違くて。本当に」
「もうずっと忙しいっていうからやっと会えると思ったのに! そういうこと? 他の女とデートしてるってこと?」
「違う」
「違うならでなさいよ」
着信が来た。仕方ない、出るしかない。
「もしもし……」
『何この音?』
「外なんだよ、外」
『なんか妙ににぎやかですけど?』
「遊んでんだよ。……友達と」
『何その間?』
「ケントく~ん! アメリカ館予約とれたよぉ~」
びっくりした。ミクがいつの間にか近くにきている。
「あ、そ、そうか」
『何今の声? 女? アメリカ?』
「あれえ~? いつもとしゃべり方違うよお~。電話の相手は仕事の人ぉ~?」
「え、あ、ん、あ、その」
『ふーん、なるほどね』
「どーしてうろたえてるの~? もしかして……女の子なの?」
「ち、ち、ちがうんだ」
電話を切ろうとする手をミクがつかんだ。
「見せてー」
『この浮気万博野郎! 私も所詮パビリオンの一つだってか! 私にナイショで
西ゲートも東ゲートも開きやがって!』
「えっ……」
ミクがうろたえた。
『あ? もしかして浮気相手? あんたもケントも殺すから大屋根リングで待ってなよ』
「いえ……大丈夫です」
ミクが顔を上げた。そして笑った。
「私が先にケントくんを殺しますから」
殺人万博 開幕――
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