互いを異性として意識し合う。そんな「変化」が始まったある秋の一日

 この関係性、すごくいいなあ、と思いました。

 主人公の創は中学三年生。幼馴染で一つお姉さんの愛梨と一緒に街を歩く。
 来年には愛梨と一緒の高校に通えるように勉強を頑張っている創。ずっと弟のように頼りないように見られていたが、このところはぐんぐん背も伸びて、愛梨の背丈も軽く追い越すようにもなっていた。

 とにかくもう、「すごく尊い瞬間」を見ることが出来た感じがしました。

 創が急に男らしく、そしてカッコよくなっていったことで、愛梨がひそかに意識し始めるようになる。ちょっとした優しさを向けられた瞬間に耳まで赤くなるという。

 気持ちを隠し切れていない愛梨。そして、そんな愛梨との時間を得るために努力を続ける創。

 まさに青春な昂揚感。揺れ動く心と、それを意識し始めた戸惑いなんかが全体から伝わってくるのが最高に素晴らしかったです。

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