まぜると!?
シュウ・タイラー
#1 Emergency
あぁ…また…この感じ。
スタジオの空気、張り詰めて重い。
いつもは譲り合ってるのに、時間的に3曲となった途端、
お世話になってるライブハウス「
お呼びがかかったのはいいけど、二人の険悪さに、歌うのワタシ!って口出しできる雰囲気じゃなくなってる…
「お二人さん、ナミ嬢が困ってる。ジャンケンで、ってわけにはいかんかね?」
ドラムのキレで、二人のリズム揃えちゃって!
「最近、ブルージーな曲がウケてるし、お客さんも期待してるんじゃない?」
ベース・作詞作曲の
半音階を多用した儚げなメロディが心をつかむ。
最近、
「今回客層若めだし、初期のポップ寄りの楽曲、久々に
ギター・作詞作曲の
最近
ワタシも、今回は
書いたのは二人、でも歌うのはワタシ…
だけど、何も言えない…
こんなんじゃ、エミ様への想い、また遠ざかってく…
「
数ヶ月前、初めて観た
クールな表情と、うねる様なベースライン。
時に客席に投げかける挑発的な視線。
気絶するほど悩ましくって、一目惚れ。
それからというもの、エミ様のSNS、私服他あらゆることチェックしてる。
ボンデージ系のクールスタイル。
はたまた、たまに見せるゆるいTシャツ姿。
はぁ…すべてが尊い…。
これまで幾つものバンドを失ってきたワタシ。
ゆるふわ系と言われるけど、中身肉食系のワタシ。
そのせいか、いつだって恋が実らないワタシ。
でも、今度こそ間違えない。
エミ様、絶対に振り向かせてみせる。
そのためにも、今度の「
同じステージに上がれるから、絶対に外したくない…
「初期の曲、ちょっと荒削りなとこあるしな…」
「
あー、
「ジャンケンにしとこか…。」
このポンコツ!
……って、
曲の比率と一緒に、ライブ後の波乱も決まったような気がした。
◇◇◇
「・・・で、
「
で、なんで二人とも脱退って話になるの?自分勝手過ぎない?
エミ様と同じステージに立つことできなくなるじゃない!
「お互いに、実力は認めてるだけに、バツが悪かったんだろうね…」
「ドラムとボーカルだけ残っても…一応鍵盤弾けますけど、そういう問題じゃ…」
「・・・ないねぇ。どうするかなぁ。」
ワタシたち
「danger」=「危険」は「0」な「us」=「ワタシたち」って願掛けだったのに…
ワタシのバンド、何故かいつも存続の危機…っていうかバラけちゃうんですけど…
「
お世話になってるライブハウス「
ドラムの
「
他の格も抜け目なく吉。
「この昼行灯に期待しちゃダメ。ドラム以外からっきしなんだから…」
「身も蓋も無い…でも、面目無い…」
「まあ、そのうちなんとかなるでしょ。姓名判断的に。」
優しい言葉の一つぐらいかけてくれても良いんじゃない?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます