最終話「晴れやかな別れ」

佐伯の逮捕後、れいなの霊は穏やかになった。


部屋でデントと並び(浮遊しつつ)、彼女は呟く。


「デント、ありがと。私、ようやく分かった。死んでたんだね…」


デントは「バカ、お化けのくせに今さらかよ」と笑うが、目には涙。


れいなも「変な奴だったけど、楽しかったよ」と声だけで笑う。



夜、月明かりの下、れいなの姿が初めてぼんやり見えた。


ショートカットの可愛い女の子。


彼女は微笑み、「やっと楽になれる。デント、元気でね」と言う。


光の粒子となって消えていくれいな。


デントは「また牛乳飲みに戻ってこいよ!」と叫ぶが、部屋は静寂に包まれた。


翌朝、デントは空っぽの部屋を見つめ、ちょっぴり寂しく笑った。


「お化けのルームメイト、悪くなかったな」


大学生活は続くが、れいなとの日々は彼の心に小さな温もりを残した。


バアルのようなものって…



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「ときめきルームシェア」 藤崎 @fujisun723

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